さらば、チャマンゴ!(1970年 西・伊) 未公開
1969~1970年にかけて、スペイン人のホセ・マリア・ナバラ(José María Zabalza)監督は、同時に3本のウエスタンを撮ることにした(なった?)そうです。 その3作品がこちら(↓) 。"Prendi la colt e prega il padre tuo" (銃を取れ、そして父のために祈れ) (1969年 スペイン)スペイン原題 "Plomo sobre Dallas" (ダラスの鉛) (※A) "Adios Cjamango!" (さらば、チャマンゴ!) (1970年 スペイン/イタリア)スペイン原題 "Los rebeldes de Arizona" (アリゾナのならず者) (※B)"Ehi! Gringo... Scendi dalla croce" (おい、グリンゴ、十字架から降りて来い) (1970年 スペイン)スペイン原題 "20,000 dólares por un cadáver" (死体のための2万ドル) (※C) どういう事情かわかりませんが、同時に撮影すると、容易に想像されるように、デモフィロ・フィダーニ作品のように、シーンの流用、出演者の重複が起こっています。ホセ・トラチャッドは3作品とも出演、カルロス・クイニー、クラウディア・グラヴィ、ルイス・インデュニはA、Bに出演、ディアニク・ズラコウスカ、マイケル・リバース(ミゲル・デ・ラ・リヴァ)はB、Cに出演、といった感じです。しかし、A、Cはスペイン作品として、ユーロ・ウエスタン扱いになるようですが、Bはイタリアが製作にかかわっているようで、これだけがマカロニ扱いとなっているようです。 今回は、と言うと、その中で唯一マカロニ扱いとなっている"Adios Cjamango!" (さらば、チャマンゴ!)を紹介します。"Adios Cjamango!" (さらば、チャマンゴ!) 監督:ホセ・マリア・ナバラ 出演:カルロス・クイニー、クラウディア・グラヴィ、マイケル・リバース、ディアニク・ズラコウスカ 音楽:アナ・サトロヴァ、ジャンニ・マルケッティチャマンゴと言えば、当然ショーン・トッド(イヴァン・ラシモフ)の"Cjamango" (1967)がオリジナルなのですが、タイトルだけで全く関係の作品となっています。 ストーリーは、脈絡のあまり感じられないエピソードの連続になっています。新婚のアラン・ジャクソン(チャマンゴ)とペギー・モーガンは、新居として購入した牧場の買い取りを鉄道会社のオーナーから申し出られるが、二人が拒否すると何者かに牧場に火を放たれ、全焼する。牧場を失った二人は放浪の旅を始め、悪徳銀行家に苦しめられているメキシコ人の牧場主を助けたり、偶然乗り合わせた駅馬車が強盗に襲われ、その犯人の疑いをかけられ、絞首刑になりそうになったり、先住民へ武器を密売している業者と戦ったり、といった感じです。挙句に偶然雨宿りをした洞窟で金を発見し、めでたしめでたしという唐突なエンディング。 他の2作品は未見なのですが、同様のレベルではないかと推測されます。 3本のゾロものに出演し、"スペインのエロール・フリン"と異名を持つ、カルロス・クイニー。右の画像は怪しい関係のシーンではないのですが、マッチョ俳優ではありがちな無用な裸体披露シーンです。"¡Mátalo!" (1970)でも男勝りな役を演じていたクラウディア・グラヴィ。新妻でありながら葉巻は吸うわ、銃はバンバン撃つわ。真のヒロインは何と言ってもかわいい感じのディアニク・ズラコウスカです。左の画像はマイケル・リバースとの2ショット。ここからは、???なシークエンスをご紹介。 近隣の人々と引越し祝い(?)のパーティーでダンスに興じている隙に、牧場に家に火を放たれるのだが、 一瞬「どうしよう?」という状況になるのですが、その後「今さら、しょうがねぇや」モードに入って、またダンスを始めるという???なシーン。この家が燃え盛るシーンは"Ehi! Gringo... Scendi dalla croce" (おい、グリンゴ、十字架から降りて来い)でも使われているようです。 左:二人は全くの濡れ衣で絞首刑になりそうになるが、不思議な存在のルディー(マイケル・リバース)に助けられます。右: 武器密売のボスであり、 ヘレン(ディアニク・ズラコウスカ)の父親であるマック(ホセ・トラチャッド)は手下を連れ、執拗にアラン・ジャクソン(チャマンゴ)たちを襲ってくる。 左:マック(ホセ・トラチャッド)は襲撃の際に、自らアイパッチ、付け髭、かつらまでかぶって、メキシコ人に扮装していた。どうして、そこまでする必要があったの?右:まさに唐突な金の発見シーン。 最後になりましたが、いろいろとバタバタしていて、大会にも参加できず、ブログの更新も一ヶ月も滞ってしまいました。 (以後、気を付けます。)