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カテゴリ:雑談
二度目の動画貼り付けのテストです。上手くいきますかどうか・・・。 今回の動画はフィンランドで2007年に制作された映画『タリ・イハンタラ 1944』のワンシーンです。 残念ながらこの映画DVDは、欧州圏のみの販売となっているため、日本では入手困難です。私は英語字幕版で見ました。 というと私が英語出来るように思われてしまいそうですが、英語は学生時代から大の苦手で、フィンランド語は挨拶と「ありがとう」位しか分かりませんので、一回目は何も考えずに通してみて、2回目に重要と思われる部分の英語字幕を、サイトの翻訳ソフトで訳しながら見るという時間のかかる見方をしました(苦笑)。 さて映画全体の評価みたいなものは、また今度にしまして、このシーンの解説ですが、前にブログで書きました遅滞戦闘という戦い方がきれいにて出来ます。 遅滞戦闘とは、敵の進撃を少しで遅らせ、また出血を強いて敵の戦力と進撃速度を低下させることを意図した戦い方です。そのため全滅するまで拠点を死守したりせず、状況に応じて大きな損害が出る前に撤退(反撃をおこなう場合もあります)することは当たり前です。指揮官が有能で柔軟性をもった対応が出来ないと、全滅する可能性もあるため、かなり難しい戦い方の一つです。 などといっても、軍事知識のない方だとピンと来ない話ですね。このシーンからイメージしていただければと思います。 またこのシーンでは、飛んでくる砲弾はすべてソ連軍の砲撃です。そう考えて見てみると妙なことに気がつきます。 あれ、途中から味方を吹き飛ばしてね? 前にブログで、ソ連軍が味方の兵士ごと砲撃で吹き飛ばしたと言う話をチラッと書きましたが、今回はそれとはちょっと異なります。 今回は純粋な誤射です。 着弾地点の指示を途中から間違えて、フィンランド軍陣地の近くではなく、味方ソ連兵の進撃ポイントに、着弾位置がずれてしまったのです。 当時は現代のレーダーなどを多用した観測装置が無い時代ですから、砲撃ポイントがかずれて味方を誤射することはよくあるケースでした(観測技術の高かったアメリカ軍やドイツ軍でもよくありました)。 特に観測機器がドイツ製に比べて著しく劣っていたソ連では(そのためフィンランド戦車兵は、ビトカソトカ(ソ連製T34/85戦車)よりも照準装置の優れたドイツ製の3号突撃砲に乗りたがったと言われています。3号突撃砲とビトカソトカが同時に相手を見つけた場合、単純な火力と装甲はビトカソトカの方が強力でしたが、最初に命中弾をたたき込めるのは3号突撃砲だったと言われています)、誤射は当たり前、精密射撃など論外でした。ソ連砲兵からすれば、敵味方の乱戦地域には、味方ごと敵を砲撃で吹き飛ばすしか方法がなかったのです。 そんな知識を片隅に起きながら見ると、細かい史実を丹念に織り込んでシーンだなと思います。
さてここからは私の拙い翻訳です。 上にも書きましたが私は英語は不得手なため、細かい訳は間違っているかも知れませんが、おおよその意味をつかんでいただければ幸いです(()部分は、私の簡単な解説です)。 ハッカライネンと言う名前の兵士: 「何も聞こえない!」 (砲弾が近くに落ちてきた衝撃で、鼓膜が一時的に麻痺して聞こえなくなったのです。そのため怖くなって後ろに下がっていったのです)
ハッカライネン: 「中尉殿、俺はもうダメです。おかしくなってしまいました」 (耳が聞こえないため、彼は感覚的に、自分が生きているか死んでいるかも分からなくなってしまっているのです。ほんの数秒前まで砲弾や銃弾の凄まじい轟音の中にいたのに、突然聞こえなくなってしまったのですから、無理も無い話ですね) 中尉: 「ほら一服やれ」 (英語字幕の直訳ですが、実際の翻訳なら、「一服して落ち着けよ」「まぁ落ち着け」という感じになるかなもしれませんね) ハッカライネン: 「肺の中が火薬で火傷ですよ」 中尉: 「頭を下げろ、奴らがきたぞ」 中尉: 「撤退だ! 陣地を丘の向こうに移す」 中尉: 「ハッカライネン、撃たれたのか?」 ハッカライネン: 「太股を撃たれました。足の感覚がありません」 中尉: 「男なら立ち上がれ、やられるぞ」
という感じになるかなと思います。 DVD、日本でも販売してくれないかなぁ・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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