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カテゴリ:雑談
中国の万里の長城ツアーで、日本人ツアー客3名の方が亡くなる事故がおきました。 亡くなった方のご冥福をお祈りいたしたいと思います。 万里の長城は、古くは戦国時代(紀元前403年頃~紀元前203年)、北方にあった燕、超、秦の三国が築いていたものを、戦国時代を統一した秦が、つなげて大長城としたのに始まります(まぁ今の万里の長城は、明代(1368~1644年)に作られたものなんですけどね。秦代の長城は、現在のものより北側にあり大半が朽ち果てています) 。 この万里の長城、防衛拠点としてほとんど役に立ったことはないのですが、中国歴代王朝によって整備されてきました。私はあまり詳しくないのですが、軍事上の必要性ではなく、風水とかの影響なのかもしれません(長城はよく龍に例えられています。そして中国の歴代皇帝も龍を象徴としています)。 中国史を専攻していた私としては、死ぬまでに一度は行ってみたいところの1つです。しかし万里(現存する城壁部分は約6260kmあります)もありますからねぇ、全部回りきるのは難しそうですね。 と、長城の話ではなく今回の遭難事故の話に移りたいと思います。 今回のツアーは、どうも観光地化されていない辺境部を歩くというものだったようです。 一日の行程はだいたい15kmということで、距離だけを見ると慣れた人ならなんとか行けそうに思えます。 しかし観光地化されていない部分と言うことは、例えて言えば、富士山登るのに、足場が悪くて迷いやすい青木ヶ原樹海を突っ切って登りましょうと言っているようなものですから、やっぱり無理があったとしか言いようがありません。 しかも報道をみると、情報収集は現地任せで、社員が下見をしていないという杜撰なものだったようですね。ツアー会社は、「現地から連絡がなかったのは、気象を含め危険がないと現地が判断したからだと思った」と釈明していますが、私には責任転嫁にしか聞こえません。事故は起こるべくして起きたと言うしかないようです・・・。 と思っていたところ、このツアー会社、平成21(2009)年7月に北海道大雪山トムラウシ山で遭難事故やらかした会社だったようですね。ビックリする一方で納得しました。つまりは危機管理が全くなっていない会社だったと言うことなんでしょうね。 今回の遭難事故をざっと見てみると、トムラウシ山遭難事故と全く同じ構図であることに気がつきます。 今回は大雪、前回は暴風雨でしたが、天候が悪化しても日程を優先して強行し、ガイドの不慣れ(今回の現地ガイドは初めてとの取引先で、意思疎通が上手くいっていたか疑問です。前回は登山経験は積んでいたものの、トムラウシ山に初めて登る人間をガイドにしていました)、防寒装備の不十分と、教訓は全く生かされていません。 私は中国には行ったことありませんが、万里の長城の辺境部ということは、相当標高の高いところ(一面平野だったとしても)だったと思われます。そうなるとこの季節は、すでに冬になっているというのが常識です。 夏山と冬山は、別世界と言っていいぐらい環境が異なります。 プロと呼ばれる人は冬山を好みますが、体力に自信のない方や経験の浅い方は安易に挑むのは気をつけないといけません。 私など、体力と技量に甚だ自信がないので、夏山専門、とてもとても冬山登れません(山見ると登りたくなって、羽をばたつかせていますが・笑)。 今回、50年ぶりという大雪が重なったのも、遭難に繋がってしまったと思うのですが、前の事故を教訓と出来ない会社の元では、遭難事故の再発は時間の問題だったのでしょうね・・・。 最近、高齢者を中心に登山や秘境ブームがありそうで、私も今年の浅間山や昨年の富士山でそういう方をお見かけしています。 同好の士が増えるはうれしいのですが、やっぱり安全は気をつけないといけませんね。 ツアー会社に任せれば、安全面や宿泊する場所やら全部やってくれるし、自分で予定たてるより安上がりなので、価格の安いところが魅力に見えてしまいますが、それに危険ですね。 ツアー会社を選ぶなら、しっかりとした実績と信用がある会社を、そして参加する側もツアー会社だけの任せたりせず、コースを研究し、装備と体調を整えて、安全で楽しい思い出の旅行にしたいですね。 それではまた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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