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カテゴリ:火山災害
・・・写真だけでも明るくと思いまして(汗)。 本日、亡くなった方の数は一気に12名に達してしまいましたね。心肺停止者は24名、行方不明者もまだまだ出てきそうですから、死者の数はどんどん増えそうですね・・・。 私も火山にはのぼる身ですから、人事とは思えずいたたまれません。謹んでお悔やみ申し上げます。 救助作業は2日目になりましたが、作業は難航しています。 理由は ・山頂を往復するのに7時間近くかかる事(火山灰で埋もれて足場が悪いのと、途中で遭難者がいるかも知れないということで、周囲を探りながら上り下りしているため)。 という、悪条件が重なっているからです。 ただでさえ、酸素濃度の低い3千メートルの山頂では走ったり出来ませんから、「心肺停止者が〇人」と、わかっていても中々救助が進まないのです。そらに遭難者の多くが厚い火山灰に半ば埋もれてますからね。そこから引き出すのは凄い労力がかかります。 そう言ったことは山に詳しくない方から見ると、もどかしいかも知れませんね。 心肺停止者の発見された場所を見ると、山頂を中心としたエリアに集中しています。これはお昼時、山頂で昼食を取ろうと登山者の多くが集まったところに噴火がはじまり、噴煙で視界を遮られて逃げ場を失い、火山弾の直撃や、熱風を吸い込んで肺や気管が火傷したり、火山性のガスにまかれて窒息して、どんどん倒れていった姿が想像されます。 つくづく噴火した時間が悪い。最悪のタイミングだった事が恨めしいです・・・。 また噴火ですが、今日新たに低温火砕流という現象が起きたことがわかりました。 通常火砕流は、500度以上の高温の火山灰と砂礫の熱風で、これに巻き込まれれば人は1分とたたずに炭化し、樹木は燃えます。車などは外はフライパン、中は蒸し器状態になり、気化したガソリンが引火して爆発したりと、まるでハリウッド映画のワンシーンに出てきそうな状況になります。 しかし幸いというか、低温火砕流は、温度が通常の火砕流の1/10以下のとても低い火砕流です(この現象は、平成12(2000)年の三宅島の火山噴火の際に初めて観測されました)。 そのため3キロメートル近く駆け下ったにもかかわらず、樹木も焼けずに済んだのでしょう。 噴煙に飲み込まれた登山者の多くが「熱かった」と証言してますが(仮に50度だったとしても、生身の人間にとってはかなりの熱風です)、低温火砕流に巻き込まれていた方もいたと思います(ただし、火砕流のほとんどが、人のいない斜面を下っていったようですが)。 この低温火砕流のメカニズムは、現在よくわかっていません。ただひとつ言えることは、もし通常の火砕流が発生していたら、犠牲者の数はもっと増えていたと言うことです。 そう考えると恐ろしいですね・・・。 それともう一点興味深い事もわかりました。 御嶽山山頂の南東3キロ付近に設置された傾斜計が、噴火7分前の11時45分頃から、御嶽山山体が膨張していた事を示すデータを観測していたことがわかりました。 山体膨張は11時52分まで続き、その後一転して収縮していることから、噴火で山を押し上げていた圧力が一気に抜け、元に戻ったと事と考えられます。 もし噴火7分前に警報が出せたとしても、犠牲者を無くすことは出来なかったでしょう。しかしこういった情報の蓄積が、これから先の火山予知の進歩に役立っていくことになると信じています。 それではまた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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