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カテゴリ:火山災害
11月25日に阿蘇山が噴火したから2週間がたちました。昨日12月8日までの状況について簡単にまとめてみたいと思います。 気象庁の発表によると、噴火活動は12月1日まで連続して起きていました。ただしいずれも規模は小さく、噴石を火口の1100メートル位に飛ばす程度です(まぁ、それでも十分凄い威力ではあるのですが。参考までに破局噴火レベルだと、噴石を1秒で2万メートル上空に打ち上げるほどの威力があります)。 1日以降は、監視カメラで噴火の様子は確認できていませんが(阿蘇山周辺は最近天気が悪く、雲がかかっていて火口がカメラに写らないのです)、今は最大500~600メートル程度の噴煙が上がっているのが確認できること、今も孤立性微動が24時間ぶっ通しに近い状態で継続していること、空振(噴火時の衝撃波)が確認できることから、ぽつぽつと噴火が続いているのは間違いありません。 出も目立つような大きなものではないので、最近報道ではてんで触れられていません。メディアというものが、いかに一過性なのかが分かります(苦笑)。 では今後の噴火はどうなるかについてですが、大規模な噴火に繋がる兆候は、依然確認できません。 GNSS連続観測では、わずかながら伸びの見られるのは変わりませんが、傾斜計では特段の変化は観測されていません。 ここで少し解説ですが、GNSS連続観測の大本であるGPSと、傾斜計では精度が段違いに違います。 現在の技術ではGPSは、1センチ以下の正確な難しいですが(ぶっちゃけ言うと、ほぼ無理です)、傾斜計は髪の毛1本分の変化も感知します(そのかわり探知範囲は非常に狭いですが)。したがって傾斜計に反応がないと言うことは、大きな噴火の兆候がないという事になります。 GNSS連続観測と傾斜計の2つのデータから言えるのは、GNSS連続観測に若干の変化があることから、地下のマグマ溜まりに、マグマの供給(今回の噴火分と同程度か少し多いぐらい)はつづいているが、火口まで上昇はしてきていない。 そのため、11月25日と同じぐらいの規模の噴火が今後も起きる可能性はあり、今後も警戒する必要があるというところでしょうか。 現在の所、放出された火山灰の量は15万トンと言われています。仮に小規模な噴火しか起きないとしても、降灰の方はこの後も継続していくことが予想されます。 現地の皆様は防塵対策に十分気を配ってくださいね。 それではまた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2014.12.09 22:32:47
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