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カテゴリ:火山災害
昨日3月16日、イタリアシチリア島南部にあるエトナ火山で噴火が起きました。 まぁ、この山は日本で例えれば、桜島のようなものなので、年中噴火していてそれ自体は珍しくありません。16日の噴火もごく小規模な噴火でしたし。 ただし昨日の噴火がとても貴重なものとなったのは、たまたま山頂にBBC(英国放送協会、日本でいうとNHKに当たります)のテレビクルーが取材中で、噴火の瞬間の映像を至近距離で撮影できた点です(負傷者が10名ぐらい出たようですが、幸い死者は出ていません)。 ↑日本のテレビニュースの映像 http://www.bbc.com/news/world-europe-39295860
↑こちらはBBCのサイトにアップされた噴火の映像です。 映像を見る限り、山頂火口よりやや下での出来事のようです。 テレビクルーの画像を見ると、白い水蒸気に混じって岩盤の破壊を示す黒煙が混じっています。それが間欠泉ように吹き上げ(カメラマンがカメラを落としたため、その様子は途中で終わってますが・・)、蒸気が押し寄せてくる様が映し出されています。 エトナ火山は岩盤が脆く、ストロンボリ式噴火をよく起こす傾向があります(BBCのサイトにある30秒の映像を見ると、その特徴が見て取れます)。 今回の噴火は、雪などの水が岩盤内に浸透し、それがマグマに触れて気化し、それが岩盤の隙間から暴噴を引き起こしたのではないかと思われます。 今回の噴火で幸いというべきなのは、エトナ火山は岩盤が脆いので、御嶽山の噴火のような、大きな水蒸気爆発になる前に、吹き出した事でしょうか。そのため噴石も小さく、至近距離で噴火に遭遇したにもかかわらず、死者が出るような大惨事にならずに済みました。 日本のテレビのテロップには、「大噴火」とありますが、実際にはきわめて小さい噴火です(苦笑)。 確か映像を見ると凄い迫力あるので、そう形容したくなる気持ち分からなくはありません。小さい噴火でこの威力ですからね。火山の力は大きいものですから。 ただ一方で報道関係者は、冷静で客観的な表現というものを少し考えてほしいなとも感じます。 それではまた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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