昨年のGW明けに、速報として新潟焼山(2400m)の噴火の話を簡潔に書きました。
その後、特に気象庁の発表はなく、ごく小規模な噴火で終了したのかな? という感じでした。
今回1年を記念(?)しまして、気象庁のデータを見てみました。
2014年からの図のため画面がいまいちですが、新潟焼山付近で起きた地震の図です。噴火が起きたと考えられているGW付近に、地震数が急上昇しています。
5月4日に低周波地震が観測され、翌5日には8回に急増して、6日に噴火と思われる噴煙が確認避けていることから、5日の日にごく小規模な噴火が起きたのは間違いなさそうです。
ただしそれによって火山活動が活発化したかというと、その兆候はありません。火山性地震はそれ以降微増していますが、大きな増加はなく、落ち着いているようです。
次に噴煙のデータを見てみます。不思議に思ったのは、5月の噴火時よりも、7月の噴煙の高さの方が大きくなっている点です。
地震回数の図を改めてみてみましたが、高周波地震、低周波地震とも7月も僅かに起きていますが、5月ほど分かりやすい増加は起きていません。
そこでGNSS連続観測のデータを見てみました。
すると、丸山尻-宇棚間のデータは曲線は7月ぐらいまで緩やかな隆起が観測されていました(対する糸魚川-妙高高原間は、僅かに伸びているかなという程度です)。
噴煙の大きさとGNSSのデータから見えるのは、7月にもごく小さめな噴火があったのかな? と言う気がします。
7月のそれは、その後に大きな火山活動の増加には繋がっておらず、逆にその後噴煙の大きさは小さくなり、GNSSのデータもやや沈降していることから、焼山内部の圧力が低下して、火山活動は低調になってきているようです。
ただし今年1月にも低周波地震が起きており、平穏状態になったわけではないようです。GNSS丸山尻-宇棚間も僅かながら隆起傾向があることから、まだ油断は出来ません。また昨年と同じレベルの噴火などが起きる可能性もありそうです。
でもまぁ、大きな噴火の兆候はありませんから、あまり不安に感じる必要はないかな。と、個人的には思っています。
それではまた。