6月23日、川崎市にある「日本動物高度医療センター」で
チビの腎臓の検査をしてきました。
かかりつけの病院での検査で、
チビの右側の腎臓に腫瘍があるのは間違いなく、
猫に多いリンパ腫の可能性が高いと言われていました。
リンパ腫だったら抗がん剤治療が出来、何もしないよりは延命が見込める。
QOLが上がり、元気も出てチビが楽になる。
でもその他の腫瘍だったら抗がん剤は効果がない。
はっきりさせないと抗がん剤を使えない。
チビの右の腎臓は
すでに周囲と癒着して多数の血管が入り込み
血流が多くなっている部分があるため、
針を刺して出血した場合、そのまま命を落とす危険がある。
高度医療センターであれば、そうなった際の対処が出来るかもしれないが、
針を刺すリスクについては同じ。
こう説明されて、
針生検をするべきかしないほうがいいのか・・迷いましたが
何もわからないよりは・・とにかく連れて行ってみよう、と
再度予約を入れてもらいました。
(二次診療専門病院なのでかかりつけ医からの紹介が必要です)
最初の問診でもリスクについて説明があり、
まずは針が刺せるかの検査をすることに。
血液検査、尿検査、レントゲン、エコー。
待合室で待っているとしばらくして担当ドクターから
バイオプシーが出来そうだとの連絡があり、お願いしました。
チビはおとなしく、麻酔も鎮静もかけずに針をさせたそうです。
出血もありませんでした。
それから待つこと数時間。
検査結果が出ました。
針生検ではっきりしたことは、リンパ腫ではない、ということ。
じゃあ、チビの腫瘍はいったい何?
・・・・・・・・・・
採取部位
腎臓腫瘤
病理組織診断
悪性上皮性腫瘍を疑う
所見
塗抹上では赤血球や顆粒状の壊死細胞/組織を含む漿液を背景にして、
上皮様細胞塊を認める。その他に有意な細胞は認められない。
観察される上皮様細胞は、軽度にして大小不同を示す類円形で、
青色に染色される細胞質を少量有す。
核は辺腺に軽度の不整を伴う類円形~卵円形で、
細胞質内に偏在する細胞も少数認められる。
核クロマチンは細顆粒状を呈し、核小体は不明瞭。
核分裂像は数か所で認められる。
コメント
異形性(=悪性)を示す上皮様細胞が多数認められます。
腎腺癌が疑われますが、細胞形態のみで特定することは困難です。
精査・確定診断には組織検査が必要です。
・・・・・・・・・・
猫の腎腺癌というのは症例がないくらいとても珍しい癌だそうです。
その腎腺癌の疑い。
確定診断のためには全身麻酔をかけて開腹しなければなりませんが、
チビにはもう全身麻酔はかけられないそうです。
麻酔が出来たとしても、
十二指腸や膵臓に浸潤していて摘出手術も無理。
左の腎臓も腎不全で25%しか機能していない。
じゃあ、どうしたら・・と聞く私に、
ドクターは申し訳なさそうな表情で「そこなんですが・・」
・・・
腎臓に腫瘍があると言われた時点で
治療して治るものではないとわかっていましたが、
やはり、何も出来ることはないのです。
その後かかりつけの獣医からも再度説明を受け、
なるべく痛みを緩和させるようなケアをしていきましょうということでした。
といっても、今飲んでいるステロイドとフォルテコールと
点滴、吐き止めの注射、そして強制給餌を続けることくらい・・
それもいつか効かなくなってしまう。
センターのドクターと、かかりつけの獣医に
「もっと早くわかって検査していたら違う結果でしたか」と聞きました。
「様子がおかしいと気が付いた時点でもうこういう状態だったと思う」
「爆発的に大きくなったようだから、早期発見は難しかったのでは」
そう、
1月の心筋症の検査では腎臓に異常はなかったし、
4月のワクチンで受診した時もなんでもなかった。
でも、
過剰グルーミングが始まってからチビはずっと元気がなかった。
食欲がないのもストレスのせいだと思ったいた。
こんなに大きなしこりになる前に、サインを出していたろうに。
多頭飼いでなければ気が付いたかな。
保護猫にかまっていなければ気が付いたかな。
だけど、
チビはきっと私を責めたりしていない。
チビは私が大好きだから。
だからメソメソ謝ったりしないよ。
長時間の検査もチビはおとなしく頑張った。
晩ごはんには大好物のカツオの刺身を。
固形物は一切食べなくなったけど、これだけはまだ口にしてくれます。
なるべく苦しくないよう痛くないよう、
チビが過ごせますように。
奇跡が起きて、
昔のようなひょうきんで明るいチビに戻ってくれないかな。
3年前7歳だった頃