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カテゴリ:アラビア書道
アジア文明博物館から送られてきたDVDにはアラビア書道に使う墨の作り方も比較的詳しく説明されています。
墨の材料はススとアラビアゴムです。アラビアゴムはススの粒を紙にひっつけるためのバインダーの役割を果たしていると説明がありました。 初めアラビアゴムと聞いたとき、なぜゴムがバインダーの役割を果たすのかピンと来ていませんでした。 確かにゴムなら東南アジアの方で取れるので、中東では当時なかなか手に入らなかったのではないかと思っていました。ただ、当時のアラブは商業が主な仕事でしたので、その時に東南アジアのゴムが手に入ったのかなあと勝手に想像していました。 ところがかなり勘違いしていることが判明しました。アラビアゴムはアラビアガムとも言い、タイヤや消しゴムに使われているものとは全く別のものだと判明しました。 アラビアゴムは食品添加剤として普通によく使用されているとのことです。つまり、あのガムシロップの”ガム”がこのアラビアゴムのことと判明しました。 切手の糊、アイスクリーム、絵の具にもよく使われているとWikipediaにも説明がありました。もともとバインダーの材料として非常にポピュラーなもので、主産地はスーダン、チャド、ナイジェリア、セネガル、マリ、ケニアなどアフリカ諸国です。それなら、当時でも中東で簡単に手に入ったことが分かります。 あちらこちらのお稽古場所で、「ゴムをススに溶かして墨をつくります。」と説明していましたが、何となく腑に落ちなかったのがこのアラビアゴムのことだったのですが、ようやく理解できました。 「パラゴムノキの幹から採取されるラテックスを凝固させたものは著しい弾性を持ち、後世ヨーロッパで産業用の新素材として近代工業に欠かせない素材として受容され、発展することとなった。」とWikipediaにもあり、そもそも原料のゴムの木が異なっています。アラビアゴムの方はそのままアラビアゴムノキというアカシア科の植物です。 糊の種類にアラビア糊というのがありますが、なぜ”アラビア”と付いているのかと生徒さんの質問を受けました。実はこの名前はこのアラビアゴムのアラビアだったという訳です。 すっきりしました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.07.27 13:53:45
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