アラビア書道とその周辺

２０分ほど待ってワンマンカーがやってきました。

車内は風鈴だらけです。風鈴列車と名付けて少しでも地元客にアピールしているのでしょう。風鈴が２～３個ぐらいなら風情もあるでしょうが、20以上もつるされており結構賑やかです。列車の振動のたび風鈴は鳴りますが、意外にそれほど大きく揺れないので適度のやかましさで悪くはないです。
何のアナウンスもなく静かに甲の浦駅を出発し、唯一の途中駅宍喰までほぼ直線でトンネルを何度も通ります。昔の鉄道であればトンネルはコストがかかるのでなるべく迂回して線路を敷いたのですが、新しい鉄道は遠慮なくショートカットしてトンネルを掘ります。

宍喰では珍しく外国人４人づれが乗り込んできました。さして名勝がある駅でもなく何をしていたのでしょうか。終点海部からはJR牟岐線になります。

海部からももちろんワンマンカーです。この列車も４つめの牟岐までしか行きません。牟岐からは徳島行きの列車に接続しています。それでもワンマンカーは変わりません。ところが、意外に乗客がだんだん増えてきます。

夏休み中でもクラブや補習があるためか学生が乗り込んできます。列車は相変わらずのマイペースで走り、途中で何度も列車のすれ違いのため、数分ぐらい、当たり前のように停車します。徳島まで列車待ちがなければ半分の時間で行けそうです。徳島付近になると列車は通勤電車並みに吊革につかまった客も増えてきました。

徳島では乗継に１時間ほど時間があったので遅い昼食にします。
駅ビルに徳島ラーメン屋が入っていたので食べます。岩田家という名前ですが、徳島では結構有名な店だそうです。徳島ラーメンは、甘く煮つけたバラ肉と生卵が入ったラーメンが有名です。白飯が欲しくなる味つけですが、なかなかおいしいです。

徳島からは徳島線に乗り土讃線と交差する佃まで乗ります。
徳島線は吉野川に沿って走る線なので多少車窓風景を期待していたのですが、意外に平野部を走ることが多く、吉野川の景色が見れたのは長くありませんでした。ただこの川は水量が豊富で。この線にはひとつ珍しい駅名があります。「学」という駅です。そのまま「がく」と発音します。以前ここの入場券には「入学」と記載されていて、受験生にバカ売れしたことがあります。今でも売られているのでしょうか。

佃は細いホーム一本だけの乗りかえ駅ですが、高知方面から来た列車に３分ほどで乗り継げて便利です。
この列車で終点の琴平まで乗ります。琴平は金刀比羅神宮で有名な駅ですが、ここで一旦下車します。別に金毘羅参りをする訳ではありません。この猛暑の中金毘羅参りをすると確実にあの長い階段の途中で倒れます。

下車したのは、ここから正真正銘の私鉄である琴平電鉄に乗り換えるためです。JR琴平から歩いて５分ぐらいのとこに小さな琴電琴平駅があります。こちらの方が金刀比羅神宮には若干近くなります。
高松築港駅まで約１時間で走る電車ですが、ちゃんと３両編成です。１時間に２本ほど電車はあります。

切符にちゃんと駅員がパンチを入れてくれます。今では貴重品です。
電車は田圃の真中を走ります。さすがにため池が目立ちますが、今年は雨が多かったせいかどのため池も水が豊富です。琴電は頑張っていて、ほかにも２系統の路線をもっています。長尾線と志度線です。
四国には３つの私鉄が健在です。松山市内を走る伊予鉄道、高知市内を走る土佐電鉄、そしてこの琴電です。琴電以外はどちらかと言えば路面電車に近い形態です。

ターミナルの高松築港駅は高松城の城内にあります。JR高松駅からは歩いて２００メートルほどです。高松はさすがに四国一の大都会の風格があります。駅前にはマリタイムビルとANAホテルが並んで建っています。

高松に来たら、当然、うどんとなるのですが、あえてラーメンにします。いくら高松の人がうどんが好きでも、たまにはラーメンを食べるでしょう。
やはりありました、このマリタイムビルのなかにラーメン横丁のようなところがあり６軒ほどラーメン屋が入っています。
でもその中で高松のラーメン屋は一軒のみで、あとは県外の有名店でした。

その唯一の高松ラーメンである讃岐ロックという店に入りました。鶏がらスープを全面にだしたあっさり系のラーメンでした。

風鈴列車（阿佐海岸鉄道）