アラビア書道とその周辺

北千住で今年初めてのお稽古が始まりました。

その中のお一人が来月チュニジアに旅行に行く予定で楽しみにしていたら、急に現地で大騒動が起こってしまい、どうしようかとの話がありました。

チュニジアが日本の新聞で取り上げられることはほとんどなく、穏やかな観光国というイメージが強く、隠れファンが多い地域でした。

アラビア書道やアラビア語を習っている方にもチュニジアが気に入って何度か旅行に行ったという話を聞きます。

チュニジアは、外務省のHPによると、面積は16万3,619平方キロ(日本の40%）、人口は1,033万人(2008年世銀）、サービス業が46%を占めるとありますので観光で食べている国です。

チュニジア国内には、ユネスコの世界遺産リストに登録された文化遺産が7件、自然遺産が1件あり、中東諸国でもなかなか見所が多い国です。一番有名なのは古代ローマ時代の都市国家カルタゴの遺跡だと言われています。

asahi.comによりますと、「外務省は１６日、チュニジア全土への渡航延期を勧め、滞在者に退避の検討を求める危険情報を出した」、とのことです。外国人には今のところ、被害はなさそうですが、ますますヒートアップする可能性もあります。現政権による２０年もの圧政に苦しんだ民衆による大規模デモとあります。

独立以来一度も政権交代は成されておらず、与党の立憲民主連合（RDC）が実質牛耳っているという図式です。複数政党は認められているものの、実質的には一党独裁になっており、２４ある県の知事も大統領が任命している．．．．．というような事を初めて知りました。

今回の騒動は、イスラム過激派によるものではなく、物価上昇に対する市民のデモから発展してきたもので、他の中東地域の事情とは多少異なっていて、中東で初めての、市民による民主主義運動か？というようにも見えます。知らない間に市民の鬱積が貯まっていたということのようです。

アラブ諸国には王政も多く、自国にこのような流れが飛び火しないか冷や冷やしているところもあると思います。

アラブでも面白い観光資源がある国で、一度行ってみたい国の一つでもあります。早く収まって欲しいと思います。