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カテゴリ:映画
ベストセラーの一冊である万城目学氏の「プリンセス・トヨトミ」を読んだので、ついでに映画の方も観てきました。
Yahoo映画での評点は5点満点で2.7点と散々な点数なのでどうしようかなと一瞬思いましたが、既に原本を読んでいるので、それとどの程度変えているのか、比較するのも面白そうなので観てきました。 結論を言うと、映画はそれ程酷い点数ではなく、十分楽しめました。 ただ、本を読まずに映画だけを観た人にはちょっと分かりづらいところがあるだろうなと思いました。また説明の部分が長すぎるという声が帰り際に聞こえました。文庫本で厚さ3センチぐらいある本ですので、映像ではかなり端折っているのですが、それでもいろいろ説明しなければならないところが多く、後半部でかなり時間を割いています。 映画の方は原本とはかなり配役も内容も変えてありますが、原本との違和感はそれ程ありませんでした。 一番の違いは会計検査員の男女が入れ替わっていることでした。本の方では、旭ゲーンズブールというハーフは女性だったのが、映画では男性に、また、鳥居という少しおっちょこちょいの男性を女性に変えていたことです。 ただこの配役の変更はそれ程気にはなりませんでした。綾瀬はるかと岡田将生が上手くそれぞれの役にはまっていました。 一番違和感があったのが、大阪国総理大臣役の中井貴一で、どう考えても大阪のお好み焼き屋のおじさんには不似合いです。大阪で生まれ育ったお好み焼き屋のおやじに品がありすぎです。また、標準語で話すのもちょっと白けます。もう少し泥臭い人での配役が望ましかったです。 このての小説を読むのは久しぶりです。 今回、マレーシアに行く飛行機の中で読むのにちょっと軽めの本がないかと思い、たまたま本屋でベストセラーになっていたので購入したものです。現場が大阪ということもあり親しみやすかったこともあります。 本の中では大阪での描写がかなり詳しく書かれていました。 映像でも、なんば、道頓堀、梅田、空堀商店街、通天閣・新世界などどれも馴染みのある画面が出てきますが、取り上げ方としてはかなりベタな感じです。たこ焼き、お好み焼き、串カツと、これもまたベタな名物です。それでも多少大阪に観光に来る人が増えるかも知れません。 今、大阪が東京と張り合っていると感じるのは、徳川が豊臣を完璧に滅ぼした時に生じた冷酷さに反抗する形で芽生えた「あること」がこの小説の核になっています。商人の町大阪らしく、まともに徳川と喧嘩せずに、うちに秘めて守るという、大阪人の心情をうまく捕らえていると思います。 作家の万城目氏が大阪出身で上京していることから、最近少し元気のない大阪を何とか鼓舞させようとして書いたのではないかと推測します。 また、現代では薄くなってしまった父と男の子の絆(きずな)に関することに重点が置かれています。このあたりは観ているお父さんには効くところです。 表だって人が死ぬ訳ではなく、派手なアクションもないので、なかなか映画化は難しいと思いましたが、本を読んでから観るならお勧めです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.06.23 01:33:04
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