アラビア書道とその周辺

関西からのお客さんが横浜に来られたので中華街で食事を取ることになりました。

ちょっと変わった店はないかとぶらぶらしていると、関帝廟を曲がったところに、かなり鄙びた中華レストランがありました。素食メニューの写真がベタベタとウインドウに貼ってあります。
こういう店は非常に旨いか、非常に不味いかのどちらかで、かなりリスクは高いものの、前者に賭けてみました。

一昔前の吊りベルトをした太り気味のいかにも中国のおじさんがペラペラの安っぽいメニューを差し出し、典型的な中国語なまりの日本語で内容を早口で説明してくれます。

よく見ると多くのメニューに×印がついています。昔は作っていたものの、人気のないメニューは取りやめて、メニューを絞ったとのことで、台湾名物の臭豆腐も昔作っていたがほとんど注文がないので止めたと。日本人は臭豆腐のおいしさがわからんと嘆きつつ。

そこでおじさんお勧めに従い、シジミの醤油漬け、ゴマだれそば、魚団子スープ、水餃子、オーギョーチーと注文しました。

「シジミは日本のシジミを使うので時期によって手に入らないこともある。台湾のものは小さいので使わない。お酒を飲む人は必ず注文するのでお酒を飲まない人には本当は出したくない」などと言いながら、少し出し惜しみをしながら持ってきました。
小さめの皿に大きめのシジミが１５粒ぐらい入ったものが出てきました。醤油、紹興酒、ニンニク、ショウガ、トウガラシで漬け込んだ生のシジミでしたが、なかなか美味しく酒の肴には最高だと思います（当方は酒を飲まないので）。ニンニク、ショウガ、トウガラシも漏れなく食べてくれと。

魚団子スープはあっさりとしたスープに魚団子が３つほど入ったシンプルなものでしたが、この魚団子が激ウマでした。通常、魚団子はカマボコのようなものなのですが、ここのものは中に具が入っており、二度楽しめます。

そしてゴマだれそばはちょっと平打ちの麺にゴマだれ、モヤシ、青菜が入ったもので、グルグルかき混ぜて食べなさいという親父の助言の通りにかき混ぜて食べると、ゴマ風味がかなり効いていて美味。親父は台湾よりゴマだれの量が多いので、台湾より旨いはずと強調。

水餃子は、シジミの醤油漬けのタレに付けなさいと指示があり、そのようにして食べます。弾力性のある皮にジューシーな具が詰まっています。
また、水餃子のスープにはゴマだれで割ると美味しいということで、全く無駄がありませんでした。

全て親父のペースでした。
平日の一時半過ぎでしたが、客足は途絶えません。
わずか５卓ほどの小さなレストランですが、リピーターやここを目当ての客が多いらしく、威張っていました。

横浜中華街では珍しい台湾人経営の店でした。
台湾の何処か小路の食堂で昼飯を食ったという感じで大いに満足しました。

萬和楼