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カテゴリ:旅
日本三大仏は何かという質問を、岐阜で乗ったタクシーの運転手が聞いてきました。
「奈良と鎌倉、あと一つはどこでしょうかね」というと、「三番目が岐阜の大仏です。」と運転手はきっぱりと、明るく、はっきりと、快活に即答しました。 「岐阜の大仏?」聞いたことはないし、学校でも習った覚えはありません。 すると運転手は近いから寄ってみますかというので、「ではお願いしますという」流れになり、ちょっと寄り道をしました。 金華山の麓に近い細い道路をいくつか曲がった突き当たりに正法寺というお寺が見えます。 タクシーの運転手は入口に置いてある車乗入れ禁止のコーンを勝手に取り除いて、誰もいない境内まで車は入ります。客が来たということで、急遽、お寺の関係者らしき女性が現れ、彼女に拝観料200円を払ってお堂に入ります。 するといきなり大仏が見えます。 かなり柔和な顔ををしています。手がかなり大きい感じです。お堂にはギリギリの高さです。周りは五百羅漢が取り囲んでいます。 そこを一回りするとおしまいです。5分で見学終了です。 岐阜県の重要文化財になっています。 もらった解説を読んでみると、江戸時代の天保3年4月に建立が始まったのですが、完成まで38年もかかっています。なぜそんなにかかったのかいうと、正法寺は門徒が少なかったので、建立を思い立った惟中和尚が各地を托鉢して、つまりお金集めをしていたからです。 それでやっと建立を始めたのですが建立途中でその和尚は亡くなってしまい、その意志を次の肯宗和尚という方が引き継いでやっと完成したということです。 大仏の高さは13.7メートルもあり、鎌倉大仏13.35メートルより大きいとあります。 しかし全国的に有名ではないのは、おそらく、この大仏が銅像ではなく、乾漆仏、つまり紙の上に漆を塗り、更に金箔を貼った仏像だからでしょう。早く言えば、提灯のような造り方の大仏なのです。 パッと見ただけでは銅像のように見えてなかなか堂々としています。ふくよかな顔立ちで、右手の格好が何でもOKという感じに開いていて安心感を与えます。ただ、火事にあったらひとたまりもないだろうなと他人事ながら心配します。 このお寺の正式名称は黄檗宗金鳳山正法寺です。 黄檗宗は禅宗の一派です。有名なのが隠元の開いた、本山でもある京都府宇治市にある黄檗山萬福寺(おうばくさん まんぷくじ)です。 ということでなかなか由緒のあるお寺なのですが、この大仏を日本三大仏に入れてよいのかどうかは議論が分かれると思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.11.06 23:13:50
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