アラビア書道とその周辺

サウジアラビアにある世界最大の石油会社Saudi Aramco社が発行している雑誌の１１月・１２月号が送られてきました。これに２０１２年のカレンダーが添付されています。
２ヶ月ごとに６種類のカリグラフィーが添付されています。
オーソドックスな作品ばかりですが、アラビア書道の美しさを見ることができるなかなか良いカレンダーです。イスラム暦と西暦の両方が書かれているので、便利です。

１－２月：羊皮紙に書かれたクルアーン（北アフリカ、おそらくチュニジア）
３－４月：クルアーンの最初のページの見開き（１５１９年、イランもしくはアフガニスタンのヘラート）
５－６月：陶器の茶碗（おそらく10世紀のイランのニシャプールもしくはサマルカンド）
７－８月：クラッディング壁（表面に金属をかぶせた壁｡1323-1325年モロッコのフェズ）
９－10月：スルタンへの請願書（１８世紀、オスマントルコ時代）
11月ー12月:マシュク（ムハンマド・ザカリヤ作2011年）

11-12月のみ最近の作品が使われていますが、その作品も伝統的なマシュクです。マシュクとは、アラビア書道の練習しているように見せている作品です。
文字はナスタリーク（ペルシャ）書体です。

ムハンマド・ザカリヤ氏は米国の有名な書家ですが、本作品のオリジンはオスマン帝国時代の書道家サミール・エフェンディの１８９５年の作品を記念したもの、とあります。

ムハンマド・ザカリヤ氏のマシュク作品（Saudi Aramco 11-12月号　添付カレンダーから）