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カテゴリ:イスラム
ご覧になった方も多いとは思いますが、2月4日(月)の朝日新聞夕刊に面白い記事が載っていました。
それは『イスラムが商機のミソ』という見出しになっています。 ある日本のメーカーが、日本のみそ業界で初めてハラール認証を取得したという記事です。 日本の純粋なミソの成分は動物性のものはなく、また製造過程でアルコールは検出されません。 だったらハラール食品ではないかと単純に考えることができるのですが、記事によると、問題は製造ラインにあるようです。製造ラインは消毒する必要があり、その際、アルコール成分を含んだ薬剤を使うこともあるということです。 一度でもアルコール消毒したラインは、その後アルコール類を使わなくても、そこで作った食物は全てハラーム(ハラールの反対)になってしまうということです。これは何となく日本でいう穢れ(けがれ)に近い考え方ですね。 この意味でいうと日本にあるほとんど全ての既存の食品製造ラインではハラール食品を作ることができないことになります。 それでは日本にいる厳格なムスリム、ムスリマの方は何も食べることができなくなりますので、厳格なイスラム教徒の方は輸入ハラール食品やハラール付レストランで我慢しているということになります。 日本在住のイスラム教徒の数は数万人ぐらいだと思いますが、出張や観光で来られる方も増えてきており、彼らの食事はかない大変という現状です。 先日もテレビでマレーシアからの観光客受け入れのため、日本の旅行会社が奮闘しているところを放送していました。そのとき、食事には全て紙製の使い捨ての食器を使っていたのが印象的でした。通常の食器類はハラーム食品で使われたことがあるためです。日本の美しい陶磁器や漆器などが使えないのがもったいないです。 日本の人口減少に伴い、消費される食品量も減ってきて、食品業界も益々競争が激化するなか、このハラール食品産業は伸びる余地が大いにあると思います(まあ、新聞にこんな記事が出たということは、とっくにどこの食品メーカーも動いているということですが)。 朝日新聞記事 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013.02.10 22:31:23
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