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カテゴリ:アラビア書道
032もし相手を理解したいのなら、相手が言ったことではなく、言わなかったことに耳を傾けなさい。
إِذَا أَرَدتَّ أَنْ تَعْرِفَهُ فَلَا تَصَغَ إِلَى مَا يَقُولُهُ بَلْ إِلَى مَا لَا يَقُولُهُ
直訳)もしあなたが彼を知りたい時、彼が言うことではなく、彼が言わないことに耳を傾けなさい。
有名なアラブ詩人ハリール・ジブラーンの文言です。
ところで、少し文法的な話をすると、動詞أَرَدتَّ(アラッタ)は「~したい」というأَرَادَ(アラーダ)Ⅳ形動詞の二人称単数形です。本来なら (araadta)となるはずなのですが、この動詞は弱動詞のため、(d)と(t)と子音が続くと、3番目の長母音を表すalifの文字が落ちて、(aradta)になります。更に今度は(d)と(t)が発音上よく似た音が続き、発音しにくいため、(d)の音が落ち、代わりに(t)の音を2回発音するという規則になります(綴りは代わらず)。よって最終的に(aratta)になっています(ややこしい)。
تَصْغَ(タスガ)「傾聴する」はصَغِيَ (サギヤ)の否定命令形で前置詞 إِلَى (イラー)を取ります。 本来否定命令の場合は、تَصْغَيْ(taSghay)という形になるべきところですが、この動詞も第3語根にي(ヤーウ)という文字をもっている弱動詞なので、第3語根の(ヤーウ)が落ちてしまい、(taSgha)となっています。
弱動詞の変化はなかなか曲者です。
مَا يَقُولُ لَهُ(マー ヤクール ラフ)の訳は「彼が言うこと」です。ここのما(マー)は関係代名詞として使われ、英語のwhatと同じような使い方をしています。「~こと」と訳すことが多いですが、whatと異なる点は、アラビア語には目的語を関係代名詞で修飾するとその目的語を代名詞で再登場させるという規則があります。よって、ه(フ)が(ヤクール)の目的語として後ろにくっついています。
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最終更新日
2023.04.13 03:00:07
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