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「はぁ・・・フレイア、まだ街見えないのか?」 「お前さ~、何で自分で探すということをしないわけ?」 村長の空間転移魔法によってルクスとフレイアは村から遠く離れた草原に飛ばされ、それからはとりあえず近くの街を探して歩きっぱなしだった。 「だって仕方ないだろ。光の旅人だからって村から出してもらえなかったんだから」 隣を歩いている、今は亡き父とかつて契約していた人工精霊の少年をちらりと見て、ルクスはため息をついた。 「あっそ・・・まぁいっか。多分もう少しすれば村が見えてくるはずなんだけど」 「ホントかよ・・・」 「何だよ、オレのこと疑ってんの?オレそんなに嘘言いそうに見えるか?」 「うん」 「えっ!!マジかよ!?」 「ウソだって」 苦笑いを浮かべて手を振ったルクスに、フレイアは不機嫌そうに頬を膨らませた。 「あっ、何か村みたいなのが見える」 ふと森の中にあった建物の集まった高台が目に入り、駆け出したルクスの後を慌ててフレイアが追った。 「!」 「うわっ!・・・どした?」 ルクスが急に止まったため、後から走ってきたフレイアはルクスに思い切りぶつかった。赤くなった額を押さえながらルクスの顔を覗き込み、次の瞬間────二人は少女達の集団に囲まれていた。 「こ、今度は何だ・・・!?」 「・・・オートマータか」 「オートマータ?」 ずらりと並んだ少女達を見回しながら呟いたフレイアに、剣を構えながらルクスは訊いた。 「自動人形だよ。・・・意志はないけど、結構攻撃的だから気を付けないと」 「それってホントに意志ないのかよ!?」 「そんなこと言ってる場合じゃないだろ!ホラ、やるぞ!」 「分かったよ!・・・ったく、うるさい人工精霊だな」 ルクスは少女───一体のオートマータに接近すると、剣を振るって人形の首と左腕を切り落とした。もちろん人形だから血は出ないが。 「よし、一体倒した!」 しかしその後ろからまた別の少女人形が接近し、ルクスに向かって持っていた探検を振りかざした。 「うわっ!!」 「ったく、世話のやける主人だな。・・・フレイムエミット!」 フレイアの足元に魔法陣が浮かび上がり、そこから火炎弾が無数に打ち出される。 人形達は高温の炎に耐えきれず焼け落ち────崩れた。 「お前・・・魔法なんか使えたのかよ」 「え?まぁ、精霊だしな」 「でもさっきのヤツすごかったな!炎がいくつもパーっと出てきてさ!」 それを聞くと、フレイアは何故か顔を赤くしてルクスから視線を逸らした。 「あ、何だよ?もしかして照れてんの?」 そう言ってフレイアの頬を人差し指で突いたルクスを思い切り蹴飛ばし、 「うるさいな!別に照れてなんかないっつの!!」 と言うと、フレイアはいつものツンとした表情に戻った。おそらくは誉められることに慣れていないのだろう。 「でもすごかったのはホントなんだって───」 しかし、ルクスの言葉は突然の爆発音によって遮られた。 「なっ、何だ!?」 「爆発・・・まさかまた?」 二人は村にいた時のことを思い出して身震いした。 だが、そこにいたのは少女人形ではなかった。 「どうも・・・私の妹達を随分と可愛がってくれたみたいね」 二人の前に立ちふさがったのは、派手な服を着た黒髪の美女だった。手には扇子を持っていて、ルビーのような真紅の瞳がしっかりと二人を捉えていた。 「もしかしてあいつらの親玉か!?」 「親玉と言うにはアレだけど・・・まぁ、この辺のオートマータ達のリーダーってところかしら。私はイリス───オートマータを束ねる『ドールズ』の一人よ」 美女───イリスは扇子をしまうと空中から杖を取り出し、掴んだ。 「さあ、始めましょ」 イリスは始まりの合図とでも言うかのように、杖の先端を二人に突きつけた。 あとがきと言う名の言い訳 携帯から更新しているのですが、打ってる途中に寝てしまったのでこんな時間に更新となりました。(だから日付が昨日のまま・・・) オートマータとドールズの存在が明らかになりました。彼女達もこれから物語に大いに関わってきますので、要注目です(笑) 次回、もしかしたら今日中に更新するかもしれません。第五話ではついに(?)ヒロインの登場です!(遅い?ほっといてちょーだい) H18.11.5 Melon.Tsukigase お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年11月05日 09時12分14秒
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