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日経ビジネス文庫
1983年にダイヤモンド社から出された「歴史からの発想」の文庫化したものである。2004年文庫版用に文庫版まえがきがある。 なにしろ20年以上前の作である。歴史ということならほんの少し前なのだろうが、ビジネス書としては通常20年たてば時代は変わり内容が陳腐化する。しかし、作者は「大きく修正するところがない」という。 たしかに近年のパソコンを利用したノウハウ本などでは、数年たてば内容はもう古い。ただこの本は、ビジネス書とは言え、その行動を過去に、歴史の中に学ぼうとするものである。 「知の宝庫『戦国』を読む」とあるように戦国時代の組織や人間を学ぼうとするものだ。たしかに、400年以上のも前の時代を参考にしようとするものにとって、400年が420年になろうともたいした違いがないのかもしれない。 ここでは「戦国時代」を「超高度成長期」だったと見ている。日本に鉄砲が始めてはいって、その後すぐに大量生産してしまう。関ヶ原の戦いでは両軍あわせて5万挺の鉄砲が装備されたといい、これほどの数が一戦場に集結するのは、その200年ほどあとのナポレオン時代以前にはなかったとも書いている。 戦国時代の小説を読む場合、だいたい戦記ものが多い。仮想歴史ものもよく読むが、これもだいたい戦国武将が主人公である。 ここでも「戦国」がメインだが、以外にも豊臣秀長(秀吉の弟)に焦点をあてている。不世出の補佐役としてである。 つまり、この本はあくまでビジネス書であるので、英雄一人について書いてもあまり意味がない。「勝てる組織」づくりのための、リーダーであり補佐役である。 それにしても、戦国時代を学べというビジネス書は多い。 これは人間性は変わらないということで、歴史に学べということらしい。 本当に人間性とかは変わっていないのか、それとも、江戸時代、明治時代、昭和初期と経て、また戦国時代に似た風潮になってきたということなのだろうか。 歴史からの発想 停滞と拘束からいかに脱するか( 著者: 堺屋太一 | 出版社: 日本経済新聞社 ) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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