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カテゴリ:マンガ
ウイングコミックス(新書館)
「ツバサ」の最初に、眠れる阿修羅王を見てしまい、これはいったい何の登場人物だろうか・・・と。結局「聖伝 リグ・ヴェーダ」の登場人物ということで、買い込みました。 タイトルが「リグ・ヴェーダ」とあるとおり、インド神話の世界です。 そもそも「リグ・ヴェーダ」といえば、世界史の授業でもでてくるインド神話の聖典。とはいっても、内容しかしらないので、そこに出てくる神々についても、仏教に入ってきて仏教での名前もあるということぐらいしか記憶にありません。この「聖伝」では、阿修羅王に帝釈天、毘沙門天などの四天王が登場するなど仏教の神としての名前で登場してきます。 天界が謀反人、帝釈天の手におちて300年。幻力の森で眠り続ける阿修羅王の御子を夜叉王は目覚めさせる。いつか夜叉王を殺すという予言の子どもを。 阿修羅一族は全滅させられた。阿修羅の子どもを助けた咎で、夜叉王の一族は帝釈天の兵に全滅させられてしまう。 そのときから、かつて星見が予言した天界の運命の輪が回り始める。帝釈天を倒すため、必要という「六星」を探す旅が始まる・・・・ 最初、これは「天空戦記シュラト」に似ていると思いました。インド神話をモデルにしたことと、帝釈天(インドラ)が謀反を起こすこと。修羅王シュラトという名前自体、阿修羅を連想させました。 しかし、読み終わってみると、むしろアニメ版の「海のトリトン」を連想しました。ポセイドン族に滅ぼされたトリトン族の最後の生き残りトリトンが、ポセイドンを倒す物語です。「海のトリトン」(マンガとはストーリーが違うのでアニメ版)は、その最終話が非常に印象的でした。当時の他のアニメのように、主人公は善であり、敵は悪という基本パターンに忠実だと思っていたのですが、最後に、ポセイドン族とトリトン族の確執のもとが明らかにされたのでした。 今回、「聖伝」では、主人公の阿修羅は、父を殺され、一族を殺され、しかも、その一族を裏切ったのが母であり、母は一族を殺した帝釈天の后になって、都合の悪い阿修羅の子を殺そうとした・・・という生まれです。阿修羅をかわいがってくれた人は、殺されていきます。「僕は生まれてきてはいけなかったの?」幼い阿修羅の心には、つらいことばかりでした。 その阿修羅を暖かく見守っていくのが夜叉王です。阿修羅のために一族を皆殺しのめにあいながらも、阿修羅を信じます。そして謎の人物、孔雀。 悪逆非道な行いで恐怖政治をしく帝釈天。しかし、最終巻までくると、何故、帝釈天が謀反を起こしたのか、そして何のためにこういうことをしているのかが明らかになります。 運命は変えられないのか?世界を滅ぼすという「運命」に抗い続けた者、逃れ切れずに散った者、見守り続けた者、そして断ち切った者・・・・ 遠い「約束」を守るために命を賭けた者たちのお話でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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