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カテゴリ:ライトノベルス
角川スニーカー文庫
吉田直さんの「トリニティ・ブラッド R.A.M」最終巻になります。本来でしたらこの(前編)に後編が続くはずだったのですが、著者の逝去(平成16年7月)により未完となりました。しかし、(後編)のプロットメモが残されていたということで、最後に掲載されています。これにより、R.A. Mの最終というか結末については想像がつきます。 トリニティ・ブラッドはこのRage Against the Moon(R.A.M)とRebone on the Mars (R.O.M )の2つの話が、背景社会や主要登場人物や同じで時間軸だけが違うという設定で進められていました。そして、今回のR.A.Mの最終回のシーンがR.O.Mの最初のシーンということになるはずだったそうです。 時代は大災厄で文明が滅んだ未来の地球。現代のヨーロッパの部分が舞台です。異種知性体・吸血鬼と人間の闘争が続く暗黒時代。 ローマ教皇庁を中心とした人間の国家とビザンチウムを中心とする吸血鬼たちの真人類帝国、そして教皇庁に対抗するテロリスト勢力、薔薇十字騎士団。 主人公のアベル・ナイトロードは教皇庁の神父で教皇庁国務聖省長官カテリーナ・スフォルツァ配下の派遣執行官。 今回の舞台は、ゲルマニクス国により滅ぼされたオストマルク公国のかつての首都ヴィエナ。ゲルマニクスの兇王として知られるルードヴィッヒ2世のヴィエナ滞在を狙い旧オストマルクのレジスタンス勢力と薔薇十字騎士団が動き出す。 一方、新教皇庁残党による同時多発襲撃事件により重要参考人であったアルフォンス・デステを殺害され、カテリーナ・スフォルツァさえ危ういところだった教皇庁は、「騎士団」という名称以外は知られていなかった「やつら」の本拠地がヴィエナにあることを知り、派遣執行官をヴィエナに派遣する… この巻ではアベルは普通の人間としてしか活躍しませんが、危機が迫ると「クルースニク」を起動します。吸血鬼の血を吸う吸血鬼と自称するように、怪物化してしまいます。 普段はおとなしいドジな神父なんですけれども。 今回、兄?のカインも名前だけは出てきます。 そもそもこのタイトルやアベルがときどきつぶやく大災厄以前の時代の記憶。元・国連航空宇宙軍の名称やそのときのパスワードなどと、彼が何故こういう身体になったのか、真人類帝国の女帝との関係は?など疑問はつきません。 残されたメモなどを参考に、ついに描かれることのなかった「始まり」と「終わり」を解説する読本が出るとのこと。それにしても続きが読めないのはさびしいことです。 【本日の言葉】 p158 一口に信頼といっても、べたべたするばかりが能ではない。ときには刃で刻む信頼もある…ここで君を倒さねば、僕らは二人とも君に殺される。そうなったら犬死にじゃないかね?そんなことになるぐらいなら、せめてどちらか一人が助かる道を選ぶべきだーその選択ができる彼女だからこそ、僕は自分の才能を挙げてお仕えしているのだよ。ここで撃てない猊下なら、それは猊下ではない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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