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カテゴリ:ライトノベルス
流血女神伝、今回の「喪の女王」も話が長くなって来ました。5巻目です。 今回は、カリエはユリ・スカナの新女王ネフィシカに幽閉されています。そしてカリエの娘セーディラとエドも手に入れ、ザカールの民を引きつけようとしています。 望むと望まざるにかかわらず、ユリ・スカナとエティカヤとの政治の道具にされようとしています。 今回一番気になったのは、出番が少しだったけれどもルドヴィア皇帝ドーン。 理想を抱いて改革に乗り出したドーンも貴族と民衆と両方の反感を帯びて追い詰められています。毎年伝染病で大量の死者を出す原因として、首都の衛生環境が極端に悪いことに気がつき、上水と下水の分離を図るため下水道敷設工事を始めるドーン。そのためには宮廷の歳費を削り、貴族の不評を買いながらも、工事を続ける。しかし、過酷な作業と地方からの人口流入による労働力過剰などで民衆の不満は募り、工事の目的さえも理解できない民衆は、「意味のない」な大工事を行う皇帝を憎みだす・・・ たまたまミューカレウス皇子を襲撃したことで、話をすることになったトイルは、皇子と直接話をしたことで工事の意味を初めて知ります。 【今日の言葉】 p123「なんていうのかなあ…俺らだって、はじめっから丁寧に話してくれりゃあわかるんだ。いくら学がなくてもな。ただあんたらはいつも、説明が足りない」 ここに関してはちょっと異議ありって感じでした。たまたまトイルには説明できた。彼も理解できた。しかし、何百人、何千人、もしかして何万人に一対一で説明できるはずもない。字が読めなければ、なおさら。説明して回るには説明する人の教育と時間と資金が必要。民主主義が育つには、一定レベルの教育が必要なんだと思います。 説明が必要なのは民主主義国家、この場合「帝国」なので、そもそもそんな発想はないのでは? 不気味なのが皇帝のブレーンで平民出身のロイ。彼は確信犯で皇帝ドーンを人身御供として帝室を滅ぼし、民衆の政権を作るつもりなんじゃないかと思います。皇帝の改革は痛みを伴う。民衆が我慢できなくなるまで改革を進めさせ、皇帝に暴君の汚名を付けて帝国を滅ぼすとともにその頃には出来ているであろう下水道設備などの成果については、次の政権で利用するつもりじゃないかと。 皇帝ドミトリアスはいい人なんですけどね、理想を追いすぎて統治者には向かないかもしれない。今後が心配です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.02.06 00:36:58
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