|
カテゴリ:本
ミステリー
不倫とミステリーとを一緒にした一見変り種の一作。ただ作品自体はそれほど異質に感じません。 主人公渡部は「不倫をする奴なんて馬鹿だと思っていた」と冒頭にあるように不倫に否定的で一般的な男性と言えます。 こう謳ってあるからこそ派遣社員で渡部の会社に入社した秋葉との関係は自ずと分かってしまうと思います。 渡部は浮気の定義を男女の関係を持ったらと言っていますが、私は恋人としかしないような行為をしたらもう浮気だと思うのですよね。 浮気が継続したら不倫。渡部の談ですが、浮気もいけないでしょう。 浮気をするのは男女の関係を持ちたいだけでなく恋人気分に浸りたいから。とありましたが、それはなるほどそんなものかと感じました。恋愛の感情はとめられないのでしょうか。 渡部はずるくて、卑怯で、弱くて格好つけたがり、こんなやつどうなってもいいと最終的に思ってしまいますが、本当にいやな奴で妻や愛人のことを簡単に見限る人物でもないのです。格好つける弱さでもあるのですが根底は優しいのです。東野作品は基本的に倫理観が漂っておりそれに反するものは格好いいと思わず、嫌悪感を抱くように作られています。 だから安心して作品を読めます。 さて、渡部の惚れた秋葉ですが、重大な秘密を握っています。とある目的実行のためにとられた秋葉の行動とは。 70点 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[本] カテゴリの最新記事
|