風来たりて樹、点頭(てんとう)す
日々是好日(ひび これ こうじつ)。『禅林句集』の中でも最も有名な言葉で、聞いたことのある方は多いと思います。毎日いい日ですね、感謝して生きなさい、という風に読めますが、実は、これ、対句(ついく)があるんです。『日々是好日 風来樹点頭』日々、これ、好日(こうじつ)。風(かぜ)来たりて、樹(き)、点頭(てんとう・転倒 たおれること)す。《毎日、いろいろあるだろうけど、そんなに悪い日なんてないさ。いまは、誰もわかってくれなくても、いつか、いつしか「風」が吹いて樹木が倒れるように、ねがいはかなうよ。だから、いちにち一日を大切に生きなさい。》こういうふうに読むんですね。以上が前半。以下後半につづきます。『庭前の柏樹子(はくじゅし) 是(こ)れ、祖師の心にあらずや』 《そんなことを、この樹木が、(先生となって)教えてくれるのです。》 日々是れ好日。一見、論語に似るこの句も、 こういうふうに聞いてみると、 なんとなく、作者の情緒的風景が見えてきませんか。 風来たりて樹、点頭(てんとう)す、というところが、 私はいちばん好きなんだにゃ~☆