昔々、近鉄バファローズという素晴らしいチームがあった!
久々に『大阪近鉄バファローズ 伝説の野武士集団 DVD BOOK』(宝島社刊)を見ている。酒をしこたま飲んで帰ってきたばかりなのかもしれないが、相当感傷的な気分に浸ってしまう。DVDのワンシーンに近鉄バファローズがパ・リーグ初制覇をしたときの映像が収められている。当時の西本監督が胴上げ後にお立ち台にあがって、ファンに向かって語った言葉がいい。時は、1979年10月16日。対阪急戦。最終回、投手は山口哲治。知る人ぞ知る元智弁学園エース。近鉄初Vの立役者で当時二十歳(?)だった。最後のバッター蓑田を三振に打ち取り、優勝を決めた。スタンドを埋める花吹雪の中、西本さんが宙に舞う。歓喜の中、西本さんはお立ち台へ。優勝監督のインタビューが始まる。インタビュアーも、野暮なことは聞かず粋だった。「30年目で初めて、チームを率いて6年目。何も聞きません。胸のうちを語ってください」--------------------「長い間、ご辛抱いただきまして...(西本さん、感激して言葉に詰まりしばし沈黙) その間、熱烈なご支援をいただきまして、 ありがとうございました。ずいぶんとつらい 長い道のりでしたけれども、やっと阪急の城 を倒すこと、今日やっと実現しました...」--------------------たしかに長い道のりだったのだ。リーグの「お荷物球団」と長いこと言われていた。その事実と、阪急を強豪に仕立て上げた後に近鉄に移った西本さんの思いも交錯したのだろう。文章にしてしまうとインパクトが小さいのだけれど、言葉の端々にこれまでの苦労が報われた西本さんの心からの喜びが伝わってくる。いつか楽天もこうなればいい。数年後なのか、10年後なのかはわからないけど。そのときの監督がこういう。----------------------「長い間、ご辛抱いただきまして...(嗚咽で声が詰まる)、その間東北の皆さんをはじめファンの皆さんの熱烈なご声援をいただきましてありがとうございました。思い起こせば、最初の年には97敗という悲惨な成績でした。ずいぶんとつらい長い道のりでしたが、ファンの皆さんはもちろん、オーナー、フロント、コーチ、選手の団結により、『楽天は弱い』という世間の声を倒すこと、今日やっと実現しました」と。----------------------チームも、選手も、フロントも、ファンも、皆なで素直に優勝を喜べるチームに、楽天がいづれなればいい。さて、優勝がいつになるかわかりませんが、その時に一緒に優勝を分かち合える監督はだれ?選手たちは?