最近の言葉から(2) - 長寿の秘訣 -
最近の言葉から。- 長生きの秘訣、それは様々だ。 -▼瀬戸内の島々からなる愛媛県上島町の地域フォーラム。お年寄りを訪ね歩いた女子高生が報告した。「おばあさんから『長生きの秘訣はウソをつかないことと、人の話をあまり聞かないこと』と教えてもらいました」(朝日新聞・本日付、天声人語)「人の話をあまり聞かないこと」というのは妙だけど、たぶん奥の深いの話なんだろうと思う。例えばそれは、「他人との関係性においてストレスを感じない付き合い方をしている」と解釈すればよいのかな?▼「行亦禅、坐亦禅、語黙動静、体安然」(証道歌)行いが禅、坐るのもまた禅、日常すべてが禅なのだ。それが実践できれば、話していても黙っていても、動静いずれで、いかなる時も身心が落ち着く。健やかで安心だ。苦しければ苦しいのが、楽しければ楽しいのが、そのままの人生だ。老いたら老いるのが、死んだら死ぬのがいいのである。動静の「動」とは、日常生活を続けながら行う禅。僧(雲水)は掃除、洗濯、料理などの作務(さむ)を全て自ら行い、さらに入浴から排泄まで、決められたやり方をていねいに、寸分の違いもなく毎日繰り返す。少しでも違えば原因は何か自らを見つめ直し、体や心の不調のきざしをいち早くチェックする。加えて、菜食中心で大食せず、毎日が規則正しい。だから、僧は大病をめったにしないし、いつまでも健康で長寿が多い。(『心がスーッとなる禅の言葉』高田明和著、成美文庫)----------------------------------------------------▼長寿で知られる奄美大島。写真家・山中順子氏が記している(一部引用)。「奄美に伝わる特有の風習のひとつに『洗骨(改葬)』がある。それは土葬した亡骸を3年か7年後に掘り起こし、骨をきれいにして瓶に収めて再び埋葬すること。その儀式が行われいる間、亡骸の頭部を抱き続けなければならない。その役を担うのは、故人が生前可愛がったお孫さんなどが担う」「この儀式が意味することは、死を真正面から見据えて、死から生を考え、生命(いのち)の中に死者を生かし続け、亡き人の分まで命を大事にして生きていこうとすること」「これまでつらい歴史の中にあった奄美。それに耐えながら、そのつらさを唄や優しさや笑顔に変えて、祖先を大切にし、死から生を直視し、長寿者を敬う・・・」生から死を見るのではなく、死から遡って生を見る。そして祖先や自然に感謝し、命の大切さを感じながら生きること。それが奄美に住む皆さんにとって、長寿の秘訣なのだろうか。奄美大島のシャーマン(巫者)の言葉に、こういったものがある。『カミ(神)の上に水がある』「神に頭を下げることを忘れても、水や太陽に頭を下げることを忘れるな、ちゅうのが奄美。自然に感謝し、尊ぶのが奄美のカミちゅうことですよ。そこからはず(外)されたら絶対にいかん。どうかはず(外)されんように」※写真家・山中順子氏のブログはこちらです↓http://www.amamine.jp/1日1クリックお願いします >>人気ブログランキング