【東京六大学2013秋】明治、岡大海のプレーが勝利を引き寄せた(明治vs早稲田1回戦)
■それは4回表のことだった。早稲田はこの回先頭の中村将吾(3年、天理高)のソロ本塁打で1点を返し、さらに一死一塁の好機を迎えていた。そして6番・大野大樹(4年、早稲田実)の打球はファースト、セカンド、ライトのちょうど真ん中あたりに上がった。すると岡大海一塁手(4年、倉敷商高)は懸命に背走。そして最後はホームに背中を向けながら、ダイビングキャッチした。一塁走者は安打と思い二塁を駆け抜けていたため、球が一塁に送球されると、帰塁できず併殺が成立した。もし打球がグラウンドに落ちていたら、一死一・三塁に好機が拡がり、この試合はどういう展開になっていたかわからない。早稲田にわたる寸前、「流れ」を岡の執念が強引に取り戻したのだ。(写真)明治大・岡大海。昨日は守備で魅せた※今年7月の日米大学野球の第5戦、岡の闘争心がチームメイトの心に火を点けて優勝を決めた。試合中に激高することを肯定するわけではないけれど、この時、ボクにとってのMVPは間違いなく岡だった。■昨日(9月29日)、明治大対早稲田大の1回戦を観戦した。初回、明治大は早稲田のエース・吉永健太朗(2年、日大三高)を攻め、6番・中嶋啓喜(4年、桐蔭学園高)の左前適時打で2点を先制。続く7番・大塚健太朗(2年、花咲徳栄高)が右前に適時打を放ち、3点目を奪った。ただ明治の得点は初回のみ。その後は吉永に抑えられた「0」行進が続いた。奪った安打は初回3本、2回1本、6回1本の、たった計5本である。(写真)貴重な3点目を叩きだした明治大・大塚健太朗 ■一方の早稲田大。4回に中村将吾の本塁打で反撃開始と思ったが、直後の岡の好守に気勢をそがれ、その後も幾度となく好機を作るも、あと一本が出なかった。日米大学野球の際、岡が死球に激高した直後に本塁打を打ったのが中村奨。岡に最も刺激を受けたのは、この中村だったかもしれない。(写真)この試合で今季3本目の本塁打を放った早稲田・中村奨吾