【甲子園2014夏】日本文理、三重に敗退して決勝進出ならず~思い出す5年前の中京大中京戦
■北日本において唯一ベスト4に残っていた日本文理が、残念ながら三重に敗退した。スコアは0-5。「いつか日本文理は接戦に持ち込めるだろう!」そう信じながら試合を観戦していたが、とうとうその願いは叶わなかった。■粘りの日本文理・・・。この日本文理のイメージは、5年前の2009年夏・決勝で作られた。この試合を振り返りたい。対戦相手は、三重と同じ梅村学園グループに属する中京大中京(だから、三重のユニは中京と同じだったわけだ!)。この試合、8回終了時点ではスコア4-10で日本文理が6点差を追う展開。しかも日本文理の9回表の攻撃も二死走者なし、絶体絶命の崖っぷちに立たされていた。誰もが中京大中京の楽勝を予想する展開だった。しかし、「野球は9回二死から」を地で行く日本文理の怒涛の反撃がここから展開されたのだった。■この回から再登板した中京大中京・堂林翔太(3年)は、三振と遊ゴロで簡単に二死を奪った。(写真)中京大中京のエース・堂林翔太は9回表の二死を奪い、そのまま優勝投手になるはずだった・・・。 そして「最後の打者」になるはずだった(失礼!)1番・切手孝太が打席に。カウント2-2と追い込まれたものの、直後の微妙なコースの球を見極めて、その後に四球を選び出塁。(ただこの時点では、最後の打者が次打者に繰越しただけに見えた)次に、この試合で本塁打を放っている2番・高橋隼之介が打席へ。 堂林、捕手とのサイン交換が合わず何度も首を横に振る。そしてパスボールの後に、高橋は高めに浮いた変化球を叩き、左中間にをライナーで破る二塁打を放つ。スコア5-10。3番・武石光司。この武石も際どい球は必ず見極め(この期に及んで、日本文理の打者たちの落ち着きぶりは素晴らしい!)、中に入ってくる変化球を引っ張ってライト右へライナーで抜けるへ三塁打を放ち、 走者がまた1人生還。スコア6-10。4番・吉田雅俊は三塁へ平凡なファールフライを打ち上げる。日本文理、万事休す・・・のはずが、目測を誤った三塁手の河合完治(法政大ートヨタ)は捕球できず。(堂林、このプレーでいささか動揺したか)結果は死球。 中京大中京高ベンチ、再び森本隼平をマウンドに上げる(堂林はライトへ)。 5番・高橋義人も四球を選んで出塁、満塁に。このチャンスに6番・エースの伊藤直輝は三遊間をゴロで抜けるレフトへの適時打を放つ。打った瞬間、両手を叩き喜びを表しながら一塁に駆ける。スコア8-10.判官びいきなのか、大半の観客は日本文理を応援するかのような大声援。そして代打、背番号「12」をつけた石塚雅俊が打席に。石塚も初球を叩き、レフト前に適時打を放つ。スコア9-10.なおも二死一・三塁のチャンス。三塁走者の伊藤が生還すれば同点!(写真)1点差に追い上げた日本文理。なおも二死一・三塁の場面で、この直後に打者若林尚希が強烈なライナーを放つもサード真正面のライナーに終わり、ジ・エンド。8番・若林尚希がバットを振り切った打球は三塁への強烈なライナー。だが、三塁手が好捕。日本文理の凄まじいまでの反撃はここで終了した。■試合終了後、優勝したにもかかあ割らず堂林は悔し涙を流していた。 一方日本文理ナインが一様にすがすがしい表情をしていたのが、とても印象的な試合だった。※写真はすべてBS朝日より。