【明治神宮大会2014】明治神宮大会、開催中!~この大会の初観戦は2005年の、あのカードでした
高校の部はベスト4が決まり、明日の準決勝は東海大菅生vs浦和学院、九州学院vs仙台育英の対戦が組まれている。ボクがこの神宮大会を見始めたのは遅く、初めての観戦は2005年のことだった。この時に偶々見た2人の投手がその後様々な曲折を経て明暗を分けようとは、その時まるで思いもしなかった。■この時の対戦カードは<準決勝>駒大苫小牧vs早稲田実だった。駒大苫小牧はこの3か月前に甲子園で2連覇を果たし、エースの田中将大は全国から注目される投手に成長していた。ボクが観戦した目的も、まさにこの田中にあった。しかし体調不良?で田中は先発を回避し、マウンドに上がったのは4回途中だった。スタンドにいたファンも同じ目的だったようで、田中が登場すると待ちかねた多くのファンから大きな拍手が起きたことを憶えている。投球内容は(調子が悪いながらも)直球の伸び、大きく曲がるスライダーで5者連続三振をはじめ計14個の三振を奪い。高校生離れした剛腕ぶりを見せつけた。そして田中の登板で試合の流れも変わった。それまで0-3と劣勢だったが6回に2点、7回に3点を奪って、駒大苫小牧が逆転勝利に成功した。一方、敗れた早稲田実の投手はエース・斎藤佑樹。斎藤も一定の知名度はあったものの、田中と比べればその差はあまりに大きかった。だからボクもスコアに斎藤の名前を書いたけれど、斎藤について特にメモを残すこともなかった。■しかし翌2006年夏になると、明治神宮で見た2人の状況が大きく変わる。「青いハンカチ」効果もあって斎藤は大スターに変貌を遂げ、田中を「脇役」に押し退けてしまった。以降4年間にわたり「斎藤協奏曲」が高らかに鳴り響くことになる。そして進学した早稲田大では常にマスコミの注目を浴び、神宮にはおばさまたちが大挙して押しかけた。まるで斎藤は大学球界の「氷川きよし?」の体だった。さらに早稲田選手用のバスだけは正面入り口に横付けされ、早稲田の選手用にだけ選手移動用のロープを張られもした。CSテレビ局はリーグ戦の中継を積極的に放映し始め、ニコスからは「東京六大学野球カード」なるクレジットカードが発行されるようにもなった。■それから4年後、早稲田のバスが横付けされることはなくなり、神宮に押しかけたあの「おばさま族」は完全に消滅した。さらにCSテレビ放送の回数は激減し、クレジットカードの発行は中止された。この「斎藤協奏曲」について、ボクには2006年夏から4年間にわたりずっと違和感があった。それは斎藤があまりに人工的、作為的に造られたスターだったように思えたから。すべてのマスコミが彼をヨイショし、投球フォームや実力についての疑問を率直に語る評論家も皆無だった。斎藤についてネガティブな発言はご法度! そんな暗黙の了解さえあったように疑ってしまう。■そして今、周知のとおり田中は海をわたり、一方の斎藤は日本ハムの一軍に定住できずにいる。現時点では、あくまで現時点では田中は「明」、斎藤は「暗」であることは間違いない。その理由は、斎藤が造られた虚と実の乖離に苛まれているように思える。復活のためには「青いハンカチ」以前、そう、意識だけでも2005年明治神宮大会の頃に戻してみてはどうだろうか? 過去に一度も斎藤を応援したことはなかったけれど、最近それじゃいかん!と妙な使命感が芽生え始めている・・・・。犠牲者のままで終わらせてはいけない、せめてこのブログでは応援して行こう、と。写真は2006年夏の甲子園。決勝再試合より(スカイA)。(上)斎藤佑樹(中)田中将大(下)早実優勝決定の瞬間。投手:斎藤、打者:田中。優勝が決まった途端、ネット裏のファンが一斉に立ち上がって拍手していたんですね。あらためてDVDを見て気づきました。