【東京六大学2018春】「なぜ走った?」~流れを変えた、法政の三盗憤死
「なぜ走った?」その瞬間、スタンドからは落胆の声が洩れた。3点をリードする法政、4回裏の攻撃。二死から3番・向山基生(4年、法政二)がレフト線に快打を放ち二塁へ。打順よく次打者は4番・中山翔太(4年、履正社)。法政にとっては1点追加、いや、あわよくば2点追加を狙える好場面。186cm、90kgの巨漢、鍛え上げた両腕の筋肉がキラリと光り、スタンドにいるだれもが中山の打席を注目していました。ところが、次の瞬間、信じられないプレーが起きました。突然に二塁走者の向山が三塁へ走ったのです。無情にも審判の判定は「アウト!」。1塁側スタンドからは冒頭の落胆の声が洩れました。この場面は中山のバットにすべてを賭けるべきで、リスクを冒してまで三塁を狙う必要などなかった。中山はベンチに視線をやり、両手を広げて⁇と、首を傾げていました。「ボクノコト シンジテイナイ?」このプレーの直後、流れは完全に慶應に傾きました。5回表、郡司裕也(3年、仙台育英)ら慶應打線が5本の長短打を繰り出し一挙に逆転、そのまま勝利しました。 (写真1)中山翔太のルーティーン。(写真2)相馬優人。3回、ライト越えの2点適時打を放つ。(写真3)郡司裕也。5回、逆転となる2点適時打をレフト越えに放つ。(写真4)スコア(写真5)三浦銀二(1年、福岡大大濠)。3番手で登板し好投した。2回、被安打1、奪三振5。