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あま野球日記@大学野球

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2014.01.23
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NHKスペシャル『アルツハイマー病をくい止めろ!』を見ての感想を。



■現在、世界の認知症患者は4,400万人、2050年には1億2,500万人に達する見込みという。およそ35年後には、日本の人口まるごと認知症になる計算だ。その頃、ボクは生きているのか、死んでいるのか。いやいや、認知症の真っただ中で、家族をはじめ周囲の人たちに散々迷惑をかけているのかもしれない。

そう、この認知症の厄介なことは、まさにそこにある。がんや心臓病などの成人病と比べ社会的費用(家族の介護時間も金銭に換算)が圧倒的に高く、今後は家計の問題だけでなく、世界経済にまで影響を及ぼすだろうと予想されるほど。
 
とりわけ少子高齢化が急速に進む日本が、認知症が引き起こす様々な社会問題に真っ先に直面する。近いうち、団塊世代が次々に発症する時代に突入するため、現在の国内患者数は462万人と言われているが、30年後には1,000万人を突破する勢いだ。



■しかし暗い話だけではない、光明も見えてきた。それが、この番組のテーマ。
世界中の医師たちが集った「DIAN(ダイアン)研究」により、認知症の7割を占めるアルツハイマー病のメカニズムが、ようやくわかってきたという。

下の図をご覧いただきたい。(図はNHKスペシャルより)

(1)まず分かったことの一つ目は、アミロイドβ(ベータ)という物質とアルツハイマー病の関係。アミロイドβは発生後、25年間という時間をかけてゆっくりと脳全体に広がって神経細胞を死滅させ、アルツハイマーを発症させる。つまり発症する平均年齢が70歳といわれていることから、45歳前後にはすでにアミロイドβが発生し、自覚症状のないまま脳内に増殖しているというのだ。

(2)そして二つ目は、「タウ」というたんぱく質の存在。アミロイドβが発生しておよそ10年後、アミロイドβを追うように神経細胞に発生してたまり続け、神経細胞に止めを刺すのが「タウ」(最も悪い奴はアミロイドβではなく「タウ」なのだ)。そして「タウ」が神経細胞を破壊した結果、記憶の中枢である海馬が委縮し、記憶力の低下が起きる。



  • 2014.1.23 アルツハイマー病 001.JPG

  

■これまでアルツハイマー病の進行は食い止めることができないと言われてきたが、敵の全貌がわかれば、手だてを考えることも可能だ。いま世界の研究者たちは、それぞれの角度から臨床試験を始めている。

ただ一つだけ共通点がある。それは治療ではなく「予防」に着目していること。それは発症後ではなく、発症する前にどうにかしましょう! といった発想だ。従い、研究対象となる人は軽度認知障害(MCI)である。上の図でいうと、主に発症5年目~の「軽い物忘れ」の人たち。


現時点での研究の途中経過は、以下のとおり。
(1)神経細胞にたまった「タウ」を分解する新薬としてLMTXがあり、早ければ2年後には実用化される可能性がある。

(2)また、アミロイドβを撃退する新薬としてはガンテネルマブがある。これまで発症後の患者を対象に試験を行っていたため効果が得られなかったが、DIAN研究の結果、そもそもアミロイドβは発症後には減少することがわかり、現在は対象を「軽度認知障害」者に切り替えて新たな試験を行っている。



■一方、「タウ」やアミロイドβを退治するのではなく、これらに攻撃され続ける海馬を鍛えるという研究もおこなわれている。実は、この研究は日本国内でおこなわれていて、世界の注目を集めている。

内容はとても簡単、ウオーキングしながら算数の計算をするというものだ。
歩く前にトレーナーから「112から5ずつ引いてください」と問題が出る。参加者は歩き始めると同時に「107、102、97・・・」と声に出して歩き続けるのだ。たったこれだけ。やり方を覚えれば、トレーナーがいなくとも自分ひとりでも簡単にできる。

なぜ、これが注目されるのか? その理由は、

運動で筋肉を刺激すると、血液中の成長ホルモンが増加する。すると脳の海馬ではBDNFという物質がより多く分泌され、そのBDNFは新たな神経細胞を生み出すように働きかける。そしてこの時、運動と同時に計算などで海馬に負荷をかけると、新しくできた神経細胞どうしのつながりが増して活性化し、その結果、海馬の神経細胞が再生されると推定されている。

従い、仮に「タウ」の増加により海馬の細胞が死滅しても、この運動が神経細胞を増やすことができれば海馬の委縮を防ぐことができるかも知れない、と言われている。
(以上、番組中のナレーションより)

「推定」とか「かも知れない」という表現が心許ないように聞こえるが、この番組では「軽度認知障害」の方がこのトレーニングを積んだことにより、海馬の委縮の進行を止めたばかりか、むしろ委縮が改善して記憶力が増したことを紹介していた。



■現在、日本では「軽度認知障害」の方が400万人もいるそうだ。65歳以上の人口においては8人中1人の割合になる。

もし街で、ぶつぶつと口を動かしながらウオーキングしているご高齢の方を見かけたら、このトレーニングをしていると思って、温かく見守ってあげてください。






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Last updated  2014.01.23 22:55:21
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