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カテゴリ:大学野球
全日本大学野球選手権の2回戦、関西国際大と明治大の一戦(6月8日)。 ■タイブレークになった延長10回裏、1点差を追う明治大はなおも二死一・三塁のチャンス。打席に4番・牛島将太(4年、門司学園)が打席に立ちます。そして、初球でした。 真ん中に入った直球(140キロ)を豪快に叩くと、打球はぐんぐん伸びてレフトへ。背走して追いかけるのは、この回からレフトに入った関西国際大2年の藤原朋輝。そしてフェンスに達すると、身体を「く」の字に曲げてジャンプ一番、目いっぱい上にグラブを差し出して好捕しました。このファインプレーが飛び出したことで3アウト、関西国際大の勝利が決まりました。 打球はフェンス上部まであと50センチ程度の高さだったでしょうか。もし捕球できなければ明治大の三塁走者はもちろん、一塁走者も生還して逆転サヨナラ負けのケース。紙一重のところで、藤原のプレーが関西国際大に勝利をもたらしました。 ■この藤原朋輝はPL学園の出身です。部員の不祥事(暴力事件)に端を発した監督の辞任、対外試合の禁止。さらに廃部問題にまで発展したPL学園野球部ですが、そのさまざまな問題が渦巻く最中、主力選手として奮闘していた選手のひとりが、この藤原でした。 新監督のなり手がいない中で、野球未経験の正井一真校長がベンチで陣頭指揮を執る異常事態であるにもかかわらず、2014年夏の大阪府大会では大体大浪商や関西大北陽をなぎ倒して決勝進出したニュースは記憶に新しい。惜しくも決勝では、香月一也(現・ロッテ)や青柳昴樹(現・横浜)のいる大阪桐蔭に大敗しましたが、藤原は1番・センターでこの試合に出場していたようです。 原因は部員にあったとしても、オトナの事情も絡まって問題が複雑化する中で、野球に集中することはとても難しいことだったと想像します。たしか田中将大が駒大苫小牧を卒業する際、甲子園で連覇記録を作る一方で不祥事、甲子園出場辞退などの経験を振り返り、「まるで天国と地獄をジェットコースターで往復しているようだった」と心情を吐露していたのを思い出します。 天国と地獄。藤原にとっては高校時代の経験が仮りに「地獄」だったとすれば、全日本大学野球選手権という晴れ舞台で見せたファインプレーは、野球の神様が特別に用意してくれた「天国」だった、と言えるかもしれません。 藤原にとって天国がこれからも続くことを祈りたいと思います。 (写真)勝利決定直後の関西国際大ベンチ前。中央が藤原朋輝(だと思います。背番号が見えないため確信はありませんが)。~J-SPORTSより(以下も同じ) (写真)藤原のファインプレーを目の当たりにして、まだ敗戦を信じられない表情の明治大・柳裕也。
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Last updated
2016.06.22 18:09:57
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