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カテゴリ:大学野球
敗戦が決まった瞬間、東大の投手・平山皓太(4年、栄光学園)はその場に崩れ落ちるでもなく、ただただ呆然と立ち尽くしていた。
こんな負け方があるものか。敗戦の責任を一人で背負った格好の平山だけれども、そんなことはない。彼の右腕にかかったプレッシャーがどれほど大きなものだったかは想像に難くない。4年生ではあるが1年前に5試合の登板経験しかない。しかも1試合あたり2イニングさえ投げ切ったことがない。 東京大 000 002 200 =4 慶應大 201 000 002x =5 そんな平山だが、この試合は大事な場面を任された。ベンチの期待に応え、7回、8回の2イニングを完璧に抑え込んだ。残る9回も抑えれば、東大待望の勝利が待っていた。見ている誰もが、歓喜の勝利の瞬間を頭に描いていただろう。平山自身も勝利のシーンが脳裏をかすめたか・・・。 そして迎えた9回、しかし現実は、皆が描いたシナリオ通りには進まなかった。この回は、緊張のあまり腕が縮こまり、肩で息をしているように見えた。 先頭の代打・渡部遼人(3年、桐光学園)にストレートの四球で出塁を許すと、次打者6番・宮尾将(2年、慶應)の送りバントの処理を誤り、自らのミスでピンチを拡げた。無死一・二塁に。続く代打・田口巧(4年、慶應)の送りバントも平山が悪送球、無死満塁になった。 8番・福井章吾(3年、大阪桐蔭)から三振を奪ってひと息つくも、続く代打・朝日晴人(2年、彦根東)を押し出し四球で同点。さらに1番・下山悠介(2年、慶應)に左翼越えの打球を放たれ、ついにサヨナラ負けが決まった。 平山にとっては酷な敗戦となったが、この経験をぜひ糧にしてほしいと切に願う。東大投手でこんな緊張感を味わえるのは、むしろ貴重な経験だと思いたい。 コロナ禍のため遅れに遅れて真夏に開幕したこの春季リーグ戦は、総当たり一試合の変則開催。わずかなミスが順位を大きく変動させる。まだ開幕戦しか見ていないけれど、今季の東大はまとまりのある好チームに見える、決して侮れない。 一方の慶應は勝ったのではなく、勝利をもらった格好。試合内容では負けていた。優勝候補の最右翼と目されていた慶應だが、投打ともに昨年より戦力が数段落ちているようだ。 (写真)東大・平山皓太投手。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020.08.12 02:14:05
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