よーやく分かった!ワタクシ、本来の読書ペースを取り戻しました!
それもこれも、穂村弘『現実入門』のおかげ。
いやーよかった。
って一人舞い上がってますが。
最近、本を読むペースが遅くって。
それこそ木星の重力(from『現実入門』)下におかれて
重い空気を一所懸命かき分けて進む感覚で読書しておりましたの。
なぜかと申しますと。
私は映画も本も、量観る・読むタイプではないんですね。
世間的なベストセラーをきちんと読むこともしない。
それよりは、自分だけの作品を見つけようというタイプなので、
ゆっくり自分のペースで気になった本だけ手に取る。
そして、その本をじっくり味わう。
人が10読んで3、4良いと思うものを見つけるのなら、
私は1でいいから本当に良いものを見つけたい。
もちろん、数こなさないと審美眼自体が磨かれないのは承知ですが、
そう簡単に一つの作品をスルーすることはできないのです。性格かな?
読みながら考える。
これはこういうことかしら?
この表現は凄い!
それからどうなるの?!
いちいち立ち止まって、空なんか仰ぎながら
想像したり悩んだりして
作品を幾重にも楽しみたい。
時間をかけて楽しみたい。
感情を噛んで噛み砕いて、
時には反芻してるから、
遅読がさらにさらに遅くなる。
時には1冊に1ヶ月かかっちゃう時がある。
ま、それもいいかと思って許してしまっていたら、
いつの間にかどんどん読むスピードが遅くなってしまってて、
読書メーターに登録してから、
「わぁ!私本当に遅いんだ!」ってびっくり。気づかされました。
読みたい本や積読はどんどん増えていくというのに、
この読書習慣を直すことができなくなってて、
うー、どうしたら一般的なスピードに戻せるの?
苦しーよー。と、もがいておりました。
そこに、ほむほむ登場!
いや、穂村氏の本は「早く読むなんてもったいない」本に入るので
どうしてペースを取り戻せたのかはよく分からないのですが、
それはきっとすこぶる面白かったからだな。
これはおススメですよ。
ラストの劇的さも含めて。
「生活」が怖い、の感覚はすっごい共感。
あと、似てる二人は瞬時に心を通わせることができて、それは何ものにも換えがたい素敵さがあるけれど、
その分苦手なものも似ているから、行き詰った時に二人でダメになることがあるという
恋人・夫婦に言及されてるとことかね。
水を吸うスポンジみたいに、
私の目が活字をどんどん吸収していくんですよ。やー快感だった。
久しぶりに爽快な読書をしたなぁ。
特に内容が爽快なわけではないのだけれど、
どうしたもんだか、私は本来の読書能力を取り戻したのでした。
今月は太宰ばっかり読む予定なので、この復活は嬉しい!