友人の他界
昨日、仲間に電話連絡した。「どうだい、近頃あまり連絡も来ないがどうしてる?」「相変わらず、ばたばたするばかりで儲からん。」「儲からんかったらいけんね。」「近頃釣りはいったか?」「先々週釣りに行ってサワラ85センチ上げたぞー。」「それは良かった。美味かったじゃろ。「ところで言わないかんことがあったが忘れちょった。」「勝郎あんちゃんが去年の11月の終わりに死んだ。」 去年車で逢いに行った時は、仲間の船で漁にでちょる、 今、沖じゃと、浜に居た近所の人が言った。 仕事の時間中で通り道、時間が無かったのでそのまま帰った。 勝郎あんちゃんは元気だ。その内酒でも持って遊びに行こう。 と、時期を待っていた。 勝郎あんちゃんとの出会いは、25年程前にさかのぼる。 船が好きでどうしても漁に行きたくて親戚の漁師にお願い して乗せてもらった。船は船長と乗り手3人で1チーム。 漁期は3ヶ月初めての漁師の体験。長さ15m位,300馬力×2, 重油1500Lを積んで時速25~30ノットで漁場へ向かう。 満船になるまで帰らない。普通で3~4日で満船になる。 その時親戚が乗り手として雇っていたのが カツオ船乗りのあんちゃんだった。身長は162センチ位体つきは がっしりとし胴長短足、首は無いに等しい位短く手の平が足の かかとの様に荒れていた。というか、網でこすれてそうなった様だ。 顔は男前ではあった。お前さんが財産は多いかも知れないが、 「俺の財産は7つの海だ。」と、豪語していた。200海里以前より 船乗りになり、一番良い時代を過ごした漁師だと思う。 陸に上がると腹巻に札束を入れて飲み歩いて居たという。港港に 女が居て俺を待っているという。ハワイ・ブエノスアイレス・エクアドルなど 外国にも行ったということだった。 10年程前には良く「港に着いたから迎えに来い」と公衆電話より 自宅に電話があり、行って見ると大きな魚を持って待っていたりした。 一緒に家に帰り風呂に入ってもらい。一緒に酒を飲んで話をした。 また、ある日曜日にはあんちゃんの船で延縄をしてふぐを釣った。 港に帰り、船でさばいてビールを飲んだ。最高に美味かった。 色々想い出は沢山あり語りつくせない。もう一度一緒に飲みたかった。