色。
私の仕事のひとつに「カラーセラピー」があります。自分自身が、セラピストであることはもちろん、セラピストの養成もしています。今日は、私の講習を受けた生徒さんが、ボランティアで特養にセラピーをしに行ったときの話です。セラピーといっても、ボトルを選んでもらうことが難しい方もいらっしゃったようで、とりあえず、色とりどりのボトルに触れて頂いたそうですが(シャカシャカ振ってしまう方もいたそうです、確かに、振りたくなるかも)それだけでも、顔色が変わっていくのが分かったと、嬉しそうに話してくれました。最初は、遠巻きに見ていた方(女性です)が、しばらくしてそーっと近づいてきて、選んだ色は何だったと思いますか?「クリアークリアー(上も下もクリアー)」だそうです。違う人から見たら「色、ついてないじゃん」というボトルです。でも、カラーセラピーでは、「光の集合」つまり「すべての色が均等に混ざっている」と解釈します。皆さんが今見ている「光」、色はついてないですよね。いろいろな色の光線が、均等に混ざっているから「透明」なんですね。この方が本当は色にすごく興味を持っている、ということが、お会いしていない私にも分かりました。実際に、「もうセラピストさんは帰りますよ」といくら施設の方に言われても、ずっと左手にボトルを握って、他のボトルをあれこれ取り出しては眺めていたようです。それから、この方はパジャマの色やタオルの色を、気分によって(?)選んでいて、施設の方の話では、「選んでいるときのお顔は、とてもいきいきしている」とのことだそうです。ちょっとしたこと、かもしれません。ひょっとしたら、この方は、何か色に関わるお仕事をされていたのかも。それだけのことでも、生き生きしているお顔を見られるのは、嬉しいですね。カラーセラピーが、介護に少し役立てるかも、と感じたエピソードでした。