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テーマ:好きなクラシック(2328)
カテゴリ:クラシック大好き
今日も頭の中で例の「グラスホッパー物語」がなり続けていたので、気分を変えてバッハの無伴奏バイオリンを聞いてみた。
それを聞きながら、97回国家試験問題をプリントアウトしてたら、なんかすごく哲学的な気分になった。 すごく安易なのたが…。 バッハの無伴奏はいいな。 去年の年末の弾き納め会で、無伴奏チェロからクーラントをバイオリン用に編曲したのを弾いたのだが(鈴木の7巻のやつ)、間の取り方が難しい。 無伴奏の世界は、まるで能のように、静の中の動の世界だと勝手に思っている。 静謐な中に、演奏者を通して作曲家の情念のような動の世界がよみがえる、のが無伴奏だと思う。 話は変わるが、病院実習の中で呼吸器内科を回っていた時のこと、末期の肺癌患者さんを担当することになった。 はっきり言って、医学生がちょこちょこ来るのって、身体的苦痛も著しい癌の患者さんにとって、わずらわしいことだったろう。 そんなに医学的知識もなく、痛み止めの注射をうてるわけでもない。 でも、その人はすごく丁寧に接して下さった。 ある日、耐え難い痛みの中で、シベリウスのピアノ曲のCDを聞いて少し気分時に楽になった、という話をして下った。 今までクラシックには縁がなかったのだけれど、何かいい曲があれば人生の最期に聞いてみたい。 それを聞いて私は、今度なにかおすすめの曲を持ってきます。と言って病室を後にした。 すごく悩んだ。 もし自分だったら人生の最期に聴きたい曲は何だろう。 結局、痛みを和らげるには最も人の声に近いと言われるチェロの音色がいいかもしれないと思い、バッハの無伴奏チェロ組曲を持っていった。 ただし、長調の曲だけ。 たぶん、自分だったら短調の曲を聴くのは重過ぎるだろうと思ったからだ。 数日後、病室を訪ねた時、「あの曲いいね。チェロっていい音だね。」と言ってくださった。 本心だったのか、気を使ってくださったのかは今となってはわからないけれど、これから医者として患者さんの人生の最期を看取るかもしれないことについて、本当にいろいろ考えさせられた。 そして、自分の人生の最期というのを考えておのも悪くはないかもしれない、と思った。 あなたは、人生の最期に何の曲を聴きたいですか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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