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テーマ:好きなクラシック(2328)
カテゴリ:オケストラ
大学時代は、とにかくバイオリンばっかり弾いてたなー、と思う。
行ってきますと家を出て、授業を受けに教室に行くよりも、そのまままっすぐに部室に行って日がな一日バイオリンで遊んでいる方が多かったかもしれない。 バイオリンは大学から始めた。 いってみれば18の手習いである。 そんな私がそのわずか2年後にコンマスになってしまったのだから、えらいことである。 先輩には怒られ、後輩になめられるまいと、今思えば笑ってしまうぐらい必死だった。 結局、空回りしてしまった部分も多かったが、その時の本番で味わったあの感動はちょっとしたものだったと思う。 その頃から、私はバイオリンに恋をした。 卒業して、その恋人とはあわや自然消滅の危機となり、多少の後ろめたさを感じつつもすれ違いの日々。 でも、たまーに思い出してケースを開けると、黙って弦が切れているという嫌がらせはしてくれつつも、なんとか舞台には乗せてくれた。 そのたびにあの頃の感動を思い出す。 ああ、学生時代は二度と戻らない。 そんな感傷とともに、先日オケのOB会に顔を出した。 今回も数ヶ月ぶりにケースを開けると、我が恋人は文字通り切れていた。 それもめったに切れないG線が。 気を取り直して弦を張替え(一番太いということは一番高いのだ)、学生時代の友人と共に三重県は赤目までの小旅行。 道々、ニンテンドーDSでのだめカンタービレのゲームをしていたら、なんと乗り過ごしてしまった…。 着いて早々、滝には行かずに早くも晩ご飯。 その後は恒例の飲み会へとなだれ込み、同好の士(つまりはクラシックマニア)が集まり、CDプレーヤーを囲んで喧々諤々の音楽談義。 幸いなことにオーディオマニアはまだ登場していない。 ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番は、やはりリヒテル盤に決まり。 ブラームスの交響曲は、ジュリーニ、ムーティー、セルと延々聞き比べて、結局ジュリーニに圧倒的な軍配が上がった。 あと、バレンボイムのモーツァルトのPコン20番はなかなかいい。 かなーりどろどろしてるけど。 デュプレの話も出てきて、バレンボイムは女の敵だけど、音楽はいいという話に落ち着いた。 久々に音楽の話、仕事の話、将来の話、懐かしい昔の話、話、話。 気づけば夜の3時だった。 翌日、実はこっちが本番。OB合奏。 というわけで、モーツァルトの交響曲41番ジュピターを合わせ。 いつも思うけれど、モーツァルトは天才だ。 汚れを知らぬ幼子の無垢な瞳に見つめられてたじろぐように、モーツァルトの音楽はその真っ白な美しさに、思わず敬虔な気持ちになる。 そこにあるのは、音楽という形なき結晶なのだ。 モーツァルト最後の交響曲、ジュピターはしかし、なかなかに難物である。 いろんな意味で泣きそうになりながら、しばしの間モーツァルトの世界に浸る。 結局、一箇所崩壊したものの、なんとか最後まで通り(奇跡です!)、楽しい時間はあっという間に終了。 なかなかに中身の濃い時間だった。 明日からはまた現実が待っているけれど、ここでもらったパワーはしばらくはもつだろうか。 とりあえず体は筋肉痛になってそうだけど。 次は月末の八ヶ岳。 それを励みにまたがんばるぞ! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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