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カテゴリ:昭和~・評論家
『文章読本さん江』斉藤美奈子(筑摩書房) この筆者は本当に文芸評論家なのかどうか、少し分からないところがあるような気がします。 でもそんなことを言い出すと、「何やさん」なのか(何を専門の研究分野にしている人なのか)分からなくなる物書きや評論家がいっぱい出てきそうです。 現代という時代は、いろんな現象がクロス・オーヴァーし、もはや単純に物事を区切ることはできない時代なのだということにして、まず、ここんところのハードルはクリアしてしまって、えー、よろしいでしょうか。 さて、斉藤美奈子(漢字違いの同姓同名の人がいるようですが)といえば、今となっては昔、『妊娠小説』(ちくま文庫)でデビューなさった方ですが、1956年新潟生まれとあって、私なんかと同じような世代の方であります。 同じくらいの世代の方の活躍って、やはり何となく気になるものですが、『妊娠小説』を読んだとき、私はけっこう面白いと思いましたね。 日本の近代文学の系譜に間違いなく「妊娠小説」という系譜がある(例えば鴎外の『舞姫』から村上春樹の『風の歌を聴け』まで)という切り込みの角度は、とてもユニークに思えました。 えーっと、今、『妊娠小説』の文庫本を探したのですが、どこにいったのか部屋に見あたりません。だから、以下、ちょっとうろ覚えで書いてみますね。すみません。 まず冒頭に「妊娠小説」という定義について述べてあったと思いますが、それがなかなか奮っていました。 実はそもそも「妊娠」なんていういい方の中に、すでに「望まれぬ」という要素が入っていると筆者は説きます。じゃあ「望まれる」妊娠はどう言うのか。それは、「お目出た」あるいは「(御)懐妊」だそうです。 うーん、この言語感覚は鋭いですねー。こういった方向の言葉の捉え方は、私、とても好きです。私は、非常に納得しました。 それで、この本を読んだ後も、斉藤氏のことを少々気にはしていたのですが(ほぼ同世代人でもあることだし)、なぜか結構長くその次を読まないでいました。 で、やっと読んだ「その次」が、ブック・オフで見つけた(これは今手元にあります)この本でした。 『読者は踊る』斉藤美奈子(文春文庫) この本もとても面白かったです。 どこが面白かったかというと、まず、気っぷがいいことですね。 本作のような、時評なような文芸評のような文章は、鮮度と気合いが命というところがあって、たまにスベッテしまうところもあるけれど、多岐に話題が及びつつ、魚河岸のような威勢の良さがあって、とても心地よかったです。 次に、『妊娠小説』の時は、理論の背景にあるフェミニズムに惑わされて、あまり気がつかなかったのですが、本作を読んでみて、とても反権威的な作りであることがわかり、(個人的な好みながら)私としては、非常に気に入りました。 (この作品にもフェミニズムの影響は、きっとなくはないんでしょうが、それよりも、一匹狼のケンカ好きの筆者という感じが近いと思います。) など、とても楽しい読書だったし、この作家はやはり割と信じられると思ったのですが、「学術的」にいえば、やはり一種の「パチもん」みたいなんかなーという気も(少し残念ながら)しました。 そして、ほぼ同世代人として、大いにがんばってほしいものだという感想を抱きつつ、次に読んだのが、やっと冒頭の一冊であります。 以下、次回に続きます。 よろしければ、こちら別館でお休み下さい。↓ 俳句徒然自句自解+目指せ文化的週末 にほんブログ村 /font> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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