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カテゴリ:昭和期・後半男性
『1Q84・Book1~3』村上春樹(新潮社) いえ、そんなつもり、つまり拙ブログに取り上げようというそんなつもりは、元々はなかったんですが、つい読んでしまったもので。 えー、この三冊の本自体は、私の部屋の本棚にかなり前から(特に1、2はそうです)あったんですが、でもあっただけでした。 以前、村上春樹を取り上げた時にも少し触れましたが、かつて私も若かった頃、発売されるとほぼすぐに買っていた小説を、『ねじまき鳥』あたりからですか、すぐに買う、つまりすぐに読むことがなくなってきて、とうとう『カフカ』は文庫本で、『アフターダーク』は「ブック・オフ」で、『スプートニク』は図書館で借りて読んでしまいました。 少し、話が飛ぶんですけれどね、まぁ、私の話なんて、いつも糸の切れた凧のように行方知れずに飛びっぱなしなんですが、でも全く関係のない話でもありません。 実は先日近所の図書館で、村上春樹についてのお話の講演会をしていたものだから、聞きに行きました。 そこで、図書館における村上春樹本の貸し出し状況の話なんかも聞いたのですが、特に今回取り上げた小説なんて、現在、二、三年経たねば借りられないような状況だそうです。 えー、余り個人の趣味とかお金の使い方なんかについて、あれこれ言うつもりはないんですが、まー、人の勝手、放っておけばいいんでしょうがねー。 しかし、本当に二、三年待ってもいいから読みたい本なら、やはり買うべきじゃないんでしょうか。それとも、私の考えが間違っているんでしょうか。ましてや、……いや、やめます。 ともあれ、そんな講演会に行ったことなんかも影響して、この度私はこの三冊を一気に読みました。 読みながら、ちらちらとネットなんかの読書感想を読んでみたりしていますと、なんと、この小説はこの三冊でまだ終わっていなさそうではありませんか。 また私は先日、村上春樹の「ロング・インタビュー」なんてのが掲載された雑誌も買っていたんですね。(しかしこの本も読んでいなかった。いえ、まだ今でもぱらぱらと見ただけなんですが。) でもぱらぱらと見ていたら、作者自身続編の可能性を否定していない、それどころか「Book4」か「Book0」なんて言葉が出てきていました。 なるほど、「Book0」ねぇー。なんか、ブルックナーみたいですね。 …うーん、「Book0」は、魅力的だ。 さて、以前拙ブログで、私は村上春樹の小説をこんな風にまとめてみました。 1.男が、精神的な双生児のような運命の女と出会う。 2.二人は別々の人生を歩み始め、絶対的孤独を感じる。 3.男は、日常生活を捨てて女を手に入れる冒険に旅立つ(あるいは旅立てない)。 4.男は女を手に入れることができず、より深い孤独が残される。 今回の小説も、もちろんいろんな物の出入りはありますが、このまとめは当たらずといえども遠からずという気がしました。 (これは、村上春樹をマンネリと言っているわけではありません。小説とは常に「古い皮衣に新しい酒を盛る」側面があると、基本的に私は考えています。) ただ、今回の小説は「Book3」でおしまいだと、上記の「3」あたりまでになっちゃうんですね。 もちろんたまには、ハッピーエンド(としたら、上記の「3.5」くらいですかね)も悪くないとは思いますが、言われてみれば、どーもアヤシイ。 「Book4」または「Book0」がありそうです。 というところまで思った時に、はたと、私の拙ブログの数少ないポリシーの中に、「最後まで読んでいない小説は取り上げない」というのがあったことに気が付きました。 そんなのどうでもいいような「ポリシー」じゃないかと言われると、そんな気もしますが、いえいえ、それはなりませぬ、と。 しばらく、すでに亡くなって久しい作家ばかりを取り上げていたせいではありませんが、そして小林秀雄ではありませんが、まったく生きている人間というのはなかなかやっかいなものですね。 「生きている人間とは人間になりつつある一種の動物」じゃないかという小林秀雄のフレーズは、おやっ、と今気が付きましたが、まるでこの小説の登場人物達について述べているようではありませんか。 うーん、「Book4」または「Book0」の読後にこの件も含めて、もう少し真剣に考えてみたいと思います。 よろしければ、こちら別館でお休み下さい。↓ 俳句徒然自句自解+目指せ文化的週末 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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