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2012.06.21
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カテゴリ:昭和期・後半

  『吾輩は猫の友だちである』尾辻克彦(中公文庫)

 「ペット・ブーム」と言われてすでに久しいですね。
 しかし、ずうっっっっと、ブームが続いていたら、もうそれはブームとは言わないんですよね、確か。
 例えば、「韓流映画」なんてのはどうなんでしょう。少なくとももう、「ブーム」ではないような気がするんですがね。じゃ、代わりになんて言うんでしょうか?
 ……うーん、わかんないですね。何か言葉があるように思いますが、「定着した」とでも言うんでしょうか。でもこの言葉って、その状態を示す言葉ではないようにも思いますね。

 (……えー、ちょっと中断いたしましてー、一言申し上げますがー、そもそもわたくしは、「ブーム」なんてものの情報に、ほぼ100%詳しくない人間であります。先日も知人と流行歌の話をしていて、私の挙げる流行歌が、一番最近のものでも2年ほども前の歌であることの指摘を受け、失笑を得ると共に、わたくしもつくづく考え込んでしまいました。……えー、そんな私の「ブーム話」でありますゆえ、少々(ひどく?)ピントが外れておりましても、ぜひとも笑ってお読みいただければと思うものであります、はい。)

 さて、「ペット・ブーム」でありますが、ネットを見ていましても、ブーム音痴の私でありましても、相変わらずペット・ブームである、いや、相変わらずどころか、この傾向はなんだか日々拍車が掛かりつつあるのではないかと薄々感じられるこの頃ですが、この理解は間違っていないでしょうか。

 冒頭の小説タイトルからも分かるように、話題は「猫」であります。
 とにかくもー、とってもたまらないくらい可愛いということで、上記に述べたブームに拍車が掛かっているんじゃないかという私の指摘も、「愛猫自慢」めいたブログやホームページが最近とみに増えているように思うことから生じたものなんですが、これも間違っていないでしょうか。

 我々が猫をかわいらしく思うことについて、本書には「猫の魔法」としてこんな風に書いてあります。

 道端を歩いていて猫を見ても、
「あら可愛い」
 とは言っても、
「あら可愛いン」
 とはならない。魔法にかかっていないのだ。魔法にかかった場合には、どうしても最後の語尾のところが、
「いン……」
 というふうに鼻にかかってしまう。つまり魔法にかかれば鼻にかかる、これが猫の魔術を見破るときのコツのようである。


 この小さな表現一つをとってもそうですが、何といいますか、実に読んでいて心地よいとお思いになりませんか。
 私は(最近はちょっと、さほどでもないんですが)、かつてこの筆者(尾辻克彦=赤瀬川原平)の作品を、かなり追っかけて買っていたのですが(といっても文庫本になってからですが)、その魅力はそれこそ「猫の魔法」のように、

 「気持ちいいン」

というものでありました。

 ……うーん、どうなんでしょう。
 その作家の書いた文章を読んでいると、とにかくそれだけで快いと思えるような作家。
 そんな作家って、実際のところなかなかいるものでもないように思うのですが、一時期の私にとって、筆者は間違いなくそうでした。
 
 もちろん私にも、尾辻克彦=赤瀬川原平以外にもフェイヴァレットな作家はいますが、ストーリーではなく、描写が、説明が、文体が、触れているだけで快いとなりますと、これはちょっと、……はて、他にどんな作家が、作品が浮かぶだろうかと少し考えてみて、何となく一つだけ、いきなり浮かんだんですが、こんな作品。

  『園芸家十二ヶ月』カレル・チャペック

 本当にふっと、何となく浮かんでしまった作品なので、責任はよく取れないんですけれど(ごめんなさい)、チャペックという人はチェコの小説家・劇作家でありますね。小説としては『山椒魚戦争』、戯曲としては「ロボット」という言葉を作り出した『R.U.R』が有名であります。
 そしてこのエッセイも、私は読んでいて、まるで波間にゆらゆらとたゆたっているように、その文章に触れているだけで思わず「気持ちいいン」な作品だったように思い出します。

 では、そんな「文体」とは、はたしてどんなものなのか。その辺のところ、次回もう少し、考えてみたいと思います。
 続きます。すみません。


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Last updated  2012.06.21 22:12:34
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