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2013.06.23
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カテゴリ:大正期・白樺派

  『若き日の想ひ出』武者小路実篤(角川文庫)

 上記小説の読書報告の後半であります。
 前半は何を書いていたかと申しますと、芸術作品とタイトルはどう関係するのか、と言うことだったと思うのですが、実はわたくし、先日神戸にある「横尾忠則現代美術館」というところに行ったのであります。

 横尾忠則氏につきましての私の知識というものは誠にお粗末なものでありまして、……えーっと、以下くらいでしょうか。

 1.むかーし、少年マガジンの表紙のデザインをなさっていた。
 2.むかーし、唐十郎とか寺山修司のお芝居のポスターを作っていらっしゃった。
 3.確か、カルロス・サンタナのあるLPのデザインをなさっていた。
 4.そして兵庫県の出身でいらっしゃった。

 こんなものでしょうか。
 だから、ほとんど初めて横尾氏の油絵とかを拝見したのですが、今回、何にも知らずに美術館に行ったら、現在展示しているテーマが「字は絵のごとく絵は字のごとく」というテーマで、画面中に言葉の描かれた絵画ばかりでありました。

 もう少し具体的に述べますと、タイトルが絵の中に描かれているわけですね。
 前回の本ブログで、私は、文学以外の芸術作品では、「作品名が作品の一部を成しているとは所詮言えない」と書きましたが、この横尾氏の作品の場合となると、なかなか微妙なものがありますね。

 展示されている各絵画の横に、控えるようにこれも展示されている簡単な説明文にも、横尾氏が絵画と文字の関係についてかなり様々な試行をしていることが書かれてありました。
 なるほど、やはりいろんな人がいろんな事をしているものですよねー。

 ということで、やはり芸術についてはそう簡単に何でも断定的には言えないものだということを、愚かなわたくしは学んだのでありました。
 ほんと、知ったかぶりしてあれこれ書かなきゃよかった。

 ということで、今回のテーマですが、……えー、何だっけ。……。
 あ゛、冒頭の武者小路の小説でありました。

 そもそも武者小路の小説のタイトルがひどいんじゃないかと言うことですね。
 「ひどい」なんてことは、前回全く述べていなかったのですが、横尾忠則タイトル含み絵画事件を真ん中に挟みまして、わたくし、少々攻撃的になっております。

 本当は前回書き出す前に書こうと思っていたことが3つあったんですね。これです。

 1.タイトルのあまりにノンシャランなこと。
 2.文体のあまりにノンシャランなこと。
 3.恋愛小説としてあまりにノンシャランなこと。

 以上なんですが、1だけふれました。2については、特に初めの方、地の文の文体が常体敬体ごちゃまぜで、これはその効果を狙っているわけでも何でもないだろう、推敲・校正の折りにでも直すべきだろう、と言う趣旨でありました。

 3については、これは読んでいただくと一発で分かるんですが、これだけ何というか「厚かましい」とでもいいますか、こんな厚かましい恋愛小説を読みますと、そもそも恋愛小説って何だっけという、誠に根元的な疑問が改めて浮かび上がってくるんですね。(もしそこまで考えての本作ならば、それはそれでとても素晴らしいといえます。)

 で、繰り返しますが、「恋愛小説」とは、いったい何が書いてある小説なんでしょうか。

 というふうに改めて振り返って考えてみると、この武者小路氏の小説が我々に提示している小説の佇まいというものが、実に独創的であることが分かります。(あ、攻撃的じゃなくなった。)

 たぶん世の中には星の数ほども恋愛小説があるはずですが、オリジナリティという意味で言えば、これほどオリジナルな「恋愛小説」はないように私は思います。

 その理由を、ひとつだけ挙げておきますね。
 恋愛小説というのは、究極の所、いってみれば、「三角関係小説」じゃないですかね。
 そうじゃないですか?

 しかしこの小説は、徹頭徹尾「二角関係小説」です。
 そんなので恋愛小説が書けるんだろうか、とお思いの諸兄。
 ここに実物があります。
 何と言いますか、実に、不可思議な、そしてやはり評価されるべき恋愛小説でありましょう。


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Last updated  2013.06.23 15:05:38
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