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2017.05.07
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カテゴリ:昭和期・後半男性

  『騎士団長殺し・第1部第2部』村上春樹(新潮社)

 この度の村上春樹の大長編はわたくし、出版されて比較的早く買いました。
 振り返ってみれば、村上春樹作品を出版されるやすぐに買っていたのは、たぶん『ダンス・ダンス…』あたりまでだったと思います。

 下記にもありますがやはり村上作品は私にとってフェイヴァレットでありますゆえ、買うか買わないかというとまず買うだろうなと自分ではわかっている書籍ではありますが、何といいますか、村上作品の新作発表が「社会的事件」みたいになるに及んで、やはりちょっと引いてしまったのですね。

 だから結局『スプートニク…』と『海辺のカフカ』は、ハードカバーではなく文庫本でしか持っていません。(でもそれは、文庫になるまで読まなかったのではなくて、買う前につい友人に借りたり図書館で借りて読んでしまったんですね、心ならずも。)

 ということで「本体」の2冊は割とすぐに購入したものの、少しの間読まずに放ったらかしにしてありました。
 そしてこの度、えいやっと読み始めたのですが、……うーん、やはり面白かったですねぇ。特に第1部は一気呵成で読んでしまって、第2部の終盤だけ少したゆたってしまいました。その訳も後で考えてみたいと思います。

 ところで、本作を読み始める前、4月の初め頃に新聞に村上春樹のインタビュー記事が載っていました。割と興味深いことが書いてありましたが、その記事のヘッドコピーがこの二つでした。

 「物語の力信じている」
 「再生につなげたいという思い強く」


 その時私はまだ本作を読んでいなかったので、あ、そうなんだ、そんな風に作者が考えている作品なんだ、くらいの気持ちを持ちました。
 そしてこの度、本書を読み終えて、さらに最近めったに行かないリアル本屋さんにたまたま時間つぶしで行ったら下記の本が平積みされていたので、そのまま買ってしまいました。

 買った時に私はちょうど本書の第2部の真ん中あたりを読んでいまして、とても面白いあたりだったので、あれこれ考えずそれこそすっと手が伸びて買ってしまったんですね。この本です。

  『みみずくは黄昏に飛びたつ』村上春樹・川上未映子(新潮社)

 そして冒頭の本書2冊読了後まだその余韻冷めやらぬ頃に読み始めると、とにかくこのインタビュー本はめちゃめちゃやたらと面白いではありませんか。
 あれよあれよとこの本も読み終えてしまいました。

 というのも、この本には村上春樹が本書を書いていた時のリアルタイム・ドキュメントが書かれてあります。もちろんそれは結局村上自身が語った言葉ですから、本当の本当にドキュメントかどうかは判断次第でもありましょうが、しかしそれでもとっても面白かったです。(しかしそれによって私は、上記の新聞記事の見出しの二つ目は、たぶん新聞記者がいかにも新聞記事的にまとめたコピーだなという事が分かりました。)
 あまりに興味深いので、こちらのほうの報告からちょっと書いてみます。

 私も同様ですが、村上春樹の「創作秘話」についてもっと知りたいのはこういうところです。川上はこのように発言します。

 ――(略)たとえば村上さんは「物語にはうなぎが必要」であり、「困ったら、うなぎに相談する」と常々おっしゃっているんですが、最初にそれを読んだとき、「ほんとは全部わかって書いているのに、またうなぎとか言ってる! 何も決めないで、あんな小説書けるわけないじゃん!」とか思ったりしたこともあったんですけれど(笑)、違うんですね。村上さんは、本当にうなぎに相談しているのかもしれない。率直で、これは驚くべきことだと思いますよ。

 この発言が述べている疑問と、それにちゃんと答えようとしない(としか取りあえず理解できない)村上への不満は、たぶん以前より多くの読者に共通していたことだと思います。
 でも、どうやらそうでもなさそうだという事が、このインタビュー本には書いてあったということです。

 ……という風に書くと、なかなか興味深いでしょ。
 つまり、「うなぎに相談する」という意味が、まー、書かれているといえば書かれているわけですね。

 ちょっとついでの話になるのですが、上記の川上発言に対して村上春樹は、その直後には、やはりはぐらかしたようなこんな答え方をしています。

 村上・うーん、褒めてもらえるのは嬉しいですけど、でもねえ、僕自身はずっと、世間から嫌われていると思って生きてきたんです。

 ね。ちょっとかみ合っていないですよね。うなぎに相談するとこれが正しい文脈なのかもしれませんが、やはり村上春樹的はぐらかしを感じるところでありますね。

 という面白いところですが、……えーっと、次回に続きます。すみません。


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Last updated  2017.05.07 18:32:39
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