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2018.05.12
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  『黒蜥蜴・湖畔亭事件』江戸川乱歩(春陽文庫)

 ……かなり、というほどでもないですが、まぁ少し久しい昔に買った文庫本です。
 以前から読もうと思っていたんですね。
 乱歩は昔から気になっていた作家ですが、さほどまとめて読んだわけではありません。

 ある時、意を決して乱歩作品を片っ端から読んでやろうと思ったことがあったのですが、ちょうどその時、わたくしの読書の「先達」とも言うべき女性から、「やめとき、失敗作も山ほどあるで」といきなりのアドバイスをいただき、あっさりなるほどと納得してしまいました。

 で、なぜ『黒蜥蜴』なのかと考えますと、やはり三島経由かな、と。
 三島由紀夫は一時かなりフェイヴァレットでしたから、そして三島の戯曲は、或いは小説よりも出来が良いといわれていましたから、そんな三島戯曲の元になったお話で、しかもそれが乱歩の原作だとくれば、そこにはグロテスクとアラベスクの饗宴、と思ってもさほどピント外れではありませんよね。

 というわけできっと私は本書を入手し、しかし、これもよくあるパターンで、入手しただけで放ったらかしにしていたというわけでした。

 で、いよいよ今回読みました。
 もう、あっさりと白状してしまいますと、ちっとも面白くなかったんですね。

 いえ、ちっとも面白くなかったは、少し語弊のある書き方でありましょう。
 「グロテスクとアラベスクの饗宴」なんて、われながら訳の分からないものを期待しながら読んだからそうなのであって、はじめから乱歩の通俗小説と思って読んでいたら、それなりの面白さは充分感じられたはずであります。

 しかし、そんなわけで面食らった私はネットでちょっと調べてみました。
 乱歩作品ベストテンみたいなものを。

 するとやはりベストテンの中に本作が入っていたりするんですね。
 えーー? そんなにレベルの高い作品かぁ? と。
 雑誌に本作の連載が始まると、とても評判になったなんてことも書いてあります。

 さらに、後述の展開で私は三島由紀夫の文書を読んだのですが、やはり三島が褒めています。(しかしこれについては、これをもとに戯曲を書いたのだから、まぁ、当たり前ではありましょうが。)こんな感じの文章です。

​ 「黒蜥蜴」は江戸川乱歩氏の唯一の女賊物であり、又、探偵に対する女賊の恋を扱つた点でも、唯一のものだらうと思ふ。私は少年時代に読んで、かなり強烈な印象を与へられたが、石原慎太郎氏なども戦後の少年期に読んで同じやうな印象を抱いたと言つてゐたから、原著の普及は十分でなくとも、テレビによる名探偵明智小五郎の名の普及と共に、十分現代の読者にアッピールするものを含んだ作品と思はれる。(「『黒蜥蜴』について」)​

 参考までに、乱歩の原作は昭和9年に雑誌『日の出』に一年間連載されています。『日の出』は、講談社の雑誌『キング』がバカ当たりしたので、新潮社が二匹目のドジョウを狙って創刊した大衆雑誌です。
 そして上記の三島の文章は、三島戯曲『黒蜥蜴』が昭和36年に『婦人画報』に発表され、翌年東京で初演されるに際して書かれた文章です。

 よく読めば、なんとなく「種明かし」が書かれていますね。つまり、……

 1.女賊物である。
 2.少年時代に読んで強烈な印象を与えられた。
 3.石原慎太郎も戦後の少年期に読んで同様の印象を持った。

 ……うーん、ここまで来て私は、なぁんだ、そういう事だったのかと思い、いきなりお二人の女性(いちおう、「女性」)を思い浮かべました。

 その「女性」とは、アニメ制作会社タツノコプロダクションの作品『タイムボカン』と『ヤッターマン』の「マージョ様」と「ドロンジョ様」であります。声はどちらも名声優小原乃梨子さん。

 美人で悪人でサディスティックでマゾヒスティック(ドロンジョ様は毎回「お仕置き」までされます)で、このアニメが放映される日の夕方の時間帯には、日本中の若いお父さんがテレビの前に息子と並んで鎮座して見ていたという、あの伝説の名キャラクターです。

 ……えっと、ちょっとヘンな方向(かつ個人的には興味深い方向、つまり幼年期の無意識なる性の目覚めというところですかね)に向かいつつある感じになってきましたので、ちょっと間を置きます。「興奮」を沈めますね。

 ということで、このお話、次回に続きます。すみません。


 よろしければ、こちらでお休み下さい。↓ 







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Last updated  2018.05.12 17:58:12
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