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近代日本文学史メジャーのマイナー

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analog純文

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2021.10.04
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  『子猫が読む乱暴者日記』中原昌也(河出書房新社)

 いえ、この本も図書館でふっと見つけたのですがね。
 いえ、この本というのは、冒頭の今回報告する本ではありません。この本です。

  『知識ゼロからの近代絵画入門』山田五郎(幻冬舎)

 絵画とか音楽も、人並みに好きなもので、そんな本も時々手に取って読みます。
 で、この本を読んだのですが、思いの外によくできた、とても分かりやすい本だとわかりました。

 19世紀から20世紀初頭の西洋絵画史をまとめてあるのですが、「はじめに」という文章にこんな事が書いてあります。

 ​西洋絵画史で一番面白い100年間。しかもここを理解しておけば、一見、意味不明な現代アートが実は近代美術史の文脈に沿って創られていることもわかってくるという、一粒で二度オイシイ絵画史です。​

 「一粒で二度オイシイ」というのは、なんか懐かしいフレーズですよねー。
 私も何度か使ったことがありますが、そもそも好きな分野の事が書かれてある本が、そうなんですよね。

 私で言えば、クラシック音楽のことが書かれている本(音楽学のような専門的なものではなく)を読むことは、まさに音楽に触れている「オイシサ」と読書の「オイシサ」の「一粒で二度オイシイ」であります。

 で、私はとても心地よくこの本を読み終えたのですが、さて、どこにどう冒頭の挙げた小説との接点があるかといえば、何となく気の付いた方もいらっしゃると思いますが、20世紀初頭絵画の一流派「ダダイズム」であります。

 ちょっとだけ本書(『知識ゼロからの~』)の記述に習いながらおさらいをしておくと、ダダイズムとは、第一次世界大戦後の文明への虚無感が生み出した、既存の芸術の意味や価値を全否定した「芸術」であります。

 端的な例として挙げられているのがマルセル・デュシャンの「泉」という「作品」で、これは既製の小便器に架空の作家名と製作年を書いただけのものであります。

 この「作品」のことを初めて知った人も、あー、あれの類いのことね、と思い出すものがいっぱいありますよね。
 いわゆる現代アートと呼ばれるわけわからない作品群の事です。

 私はそんな「作品」を見るたびに、「やったもん勝ち芸術やな」と独り言つのですが、その原点がこんなところにあったんですね。
 (私の言った「やったもん勝ち芸術」というのは、本書によると「観念芸術=コンセプチュアル・アート」というのだそうです。モノではなくて、コンセプトが作品という理解ですね。)

 さて、やっと、冒頭の『子猫が~』の読書報告が始まります。
 というかー、ごく素朴に書きますと、あまり始まりたくない、と。

 そもそも、小説というのは全く何を書いてもいいジャンルであり、そうである以上、何が書かれてあっても、まー、そうなんだと取りあえず首肯するものであります。

 しかし、それこそ小便器に架空の作家名と制作年を書いただけのようなお話を読まされると、(今気づいたのですが、この例えは、例えられるものを褒めた例えなんでしょうか貶した例えなんでしょうか、)なんと言いますか、読み手として、なんか悲しくなってくるんですよね。

 いえ、これは全く個人的な私の感情であります。
 上記にも触れてますが、そもそもダダイズムとは、人類史上初の大量虐殺戦となった第一次世界大戦がもたらした文明への無力感・虚無感から生まれた、既製の価値を全否定しようという思想であり、それは芸術的な意欲であることは間違いないと思います。

 でもねー、でもねー、……。
 ……わたくし少し気になったので、ネットのレビューを見てみました。
 褒めてあったり貶してあったり、いろんな意見がありましたが、読んでいて悲しくなるというのは、ありませんでした。

 私の読みそこないでしょうか。
 そこまでネガティブになることはないのでしょうか、ねぇ。


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Last updated  2021.10.04 16:41:16
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