寝言は寝て語れ (旧analyzer的独白)

中国反日デモ:日系小売り各社　売り上げ回復難しく
毎日新聞　2012年10月09日20時21分

　中国での反日デモと日本製品の不買運動の影響は日系小売り各社にも広がり、売り上げ減などの懸念が増している。

　流通大手セブン＆アイ・ホールディングス傘下のイトーヨーカドーは反日デモ直後に中国での売り上げが一時、前年同期より３０％ほど低下した。しかし食料品は徐々に売れ行きを回復しているといい、セブン＆アイ・ホールディングスの村田紀敏社長は４日の記者会見で「食品の信頼性や安全性を日ごろから感じていただいている証しだと思う」と述べた。ただ、中国国内では日本製品の購入に依然、厳しい視線があり、「中国製品を前面に出す対応をとっている」という。

　百貨店大手の高島屋は１２月に上海で百貨店の開業を予定しており、鈴木弘治社長は９日の記者会見で「計画に変更はない」とした。ただ、「当初（予定する）売り上げ達成は困難な状況」と述べた。大丸と松坂屋を傘下に持つＪ・フロントリテイリングの奥田務会長は同日、１０月第１週の国内１１店舗の外国人客売り上げが前年同期比２６.８％減となり、国内でも影響が出ていると指摘。そのうえで、「本当に懸念するのは、影響が巡り巡って国内消費に出ることだ」と述べた。

　中国湖南省で百貨店３店を運営していた平和堂は反日デモによる破壊、略奪を受け、今も再開できずにいる。休業による減収分を含め損害は１８億円に上るというが、「まずは１１月１日に１号を再開し、年内には全店の営業を始めたい」としている。