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首相所信表明 「高齢者8割働きたい」「多様性」は本当か 毎日新聞 2019年10月10日07時30分 「8割が65歳を超えて働きたいと願っている」――と、所信表明演説で語った安倍晋三首相の言葉に疑問の声が上がっている。そこで、演説全体を検証してみると、確かに首をひねらざるを得ないデータの引用があった。逆に他の分野では、表現が抽象的でどんな政策を指すのか分からない言葉もあった。 SNS「働きたいじゃなくて働かざるを得ないのでは」 4日の臨時国会冒頭の所信表明演説で、安倍首相は「全世代型社会保障」に関連してこう述べた。「65歳を超えて働きたい。8割の方がそう願っておられます」。そして「意欲ある高齢者の皆さんに70歳までの就業機会を確保します」と強調した。高齢者に就労意欲があることの根拠として、「8割」という数字を示したのだ。 これに対し、ツイッターでは疑問や批判の声が上がった。 「8割というのは、作り話だと思う」 「意欲じゃなくて、生活のために働かざるを得ないからだよ。それにしたって、8割もいるかよ」 「55・3%」というデータ 演説のこの部分を担当したのは内閣府の政策統括官(共生社会政策担当)だった。 担当者によると、根拠となるデータは2014年度の「高齢者の日常生活に関する意識調査」。調査対象は全国の60歳以上の男女で、3893人が回答した。 だが、これを見ても「8割」にはなっていない。「何歳ごろまで収入を伴う仕事をしたいか」という質問に対し、「働けるうちはいつまでも」が28・9%▽「70歳くらいまで」が16・6%▽「75歳くらいまで」が7・1%▽「80歳くらいまで」が2・7%――で、合計すると55・3%だ。 「『誤差』は把握している」 担当者は「基はこれなんですが、再集計の部分を見てください」と言う。回答者のうち、現在仕事をしている1356人に絞ったデータも別ページにあり、この人たちに限れば合計は79・7%になる。 内閣府の「平成30年版高齢社会白書」もこのデータを引用して「約8割が高齢期にも高い就業意欲を持っている」と指摘している。ただし、現在仕事をしている人に限定した数字であることを明記している。 前述の担当者は「具体的な条件を詰めていくと、演説の内容に『誤差』が生じているのは把握している」とのこと。ではなぜ、演説の前に指摘しなかったのか。「内閣府のとりまとめ役からデータの問い合わせを受け、前提条件も含めて回答しました。首相の演説の文面を事前に見たわけではないので……」 働くのは「経済上の理由」が最多 もう一つ、「働きたい」という人たちは本当に望んでなのかという点はどうだろうか。 独立行政法人「労働政策研究・研修機構」が60~69歳の5000人を対象に実施した「60代の雇用・生活調査」(15年発表)では、働いた理由として一つを選択する設問で「経済上の理由」を挙げた人が58・8%と最も多く、2位の「いきがい、社会参加のため」の12・2%を大きく引き離した。 また、厚生労働省の国民生活基礎調査(18年)によると、高齢者世帯のうち、生活が「やや苦しい」「大変苦しい」と回答したのは55・1%に上った。 統計からはやはり、「働きたいというより、働かざるを得ない」という実態が浮かび上がる。 「議事録に残すという点で不適切」 「8割が65歳を超えて働きたいと願っている」発言について、安倍政権のメディア戦略に詳しい逢坂巌・駒沢大准教授(政治コミュニケーション)は「厳密に言えば間違い」と指摘する。 「一国の首相として、議事録に残すという点で不適切です。都合のいいデータを恣意的に引用しているという批判は免れません。安倍政権にはこれまでもラフな言葉の使い方が散見され、『正確な情報を出さなくてもたいした問題にならない』と踏んでいるように見えます。長期政権の緩みなのか、困ったものです」(以下略) 【毎日新聞;元記事はこちら】 ◆わたしは今61歳、老齢厚生年金が63歳からで老齢基礎年金は65歳からの給付です。現在は無年金無収入。だから働かざるをえません。身体が元気なうちは働くけれど65歳になったらリタイヤして年金で暮らしていけるならそこからは「老後」と考えて、行きたかったところに旅行もしたいし倹しく安楽に暮らしたい、それが本音です。 都合のいい数字を都合のいいように使うと数字の裏付けがある「ウソ」が出来上がる。はっきり言ってこれは「誤差」ではなく「ウソ」です。官僚さんちゃんとチェックしてくださいよ。アベ政権はこういうウソが大好きで厚顔無恥に言いきって憚らない。困ったものですで済ませてはならない。野党のみなさん、しかるべき場でキチンと質して訂正させてください。 ジミン党のセンセイ方は不適切発言を責められると「マスコミは脈絡を無視して部分だけ切り取って問題にする」というがコレはどうなのか。官僚が前提条件つきで回答した数字の前提条件を外して数字だけを所信表明で使うのは一国の政府として正しい姿か。都合のいい数字にフォーカスして政策が偏っていくとしたら危険ではないか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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