どう周に接しようか…
彼が何の理由で突然の退職願を出したのか分からないので
考えていた。頭の中はフル回転。
1)私のタクラミがバレたか?
⇒もしそうなら私が話しかければ逆効果。
2)他の理由で怒っているとか?
⇒もしそうなら同情を示して懐柔させる方法がある。
しかし!
私も二枚舌の浪速女。
もし(1)の理由であれば、
上司の命令と言えばいい!!
これで逆に彼の同情を誘い、懐柔できる!!(⇒腹黒)
どっちにしろ労使間で誰かが仲介せねば
この問題はクリアできないのだ。
私以外に誰がやる??
いずれにせよ、
本人から辞めるというのだ。
辞めないとゴネられるよりは、ずっといい。
周の気が変わらないウチに
話を固めてしまうに越した事はない。
例えそれで、上司を悪者にしようとも
結果的に周をうまく辞めさせる事が出来れば
経理部長も理解してくれるはず。
さ~怖いもんはない!!
いくぞ、あこ!!
*ここまでの話は【四】アクの強い財務を辞めさせる話を御参照下さい。
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「周くん♪」と私は能天気なフリで話しかけた。
周の反応は・・・
「あ、アコ小姐^^」
笑顔だ・・・
表情は・・・
目・頬・口、
顔のパーツを素早く見る。
緊張は感じられない。
怒ってない・・・
少なくとも
私に対して怒っていない・・・
良かった。
バレてない。。
引き続き、平静を装って話しかける。。
私 「何かさ~辞職申請提出したって?」(気軽な感じで)
周 「はい」(机の中を片付けながら)
私 「辞めちゃうの?」(悲しげな顔で)
周 「はい。・・・もう無理です」
私 「あ、そう・・・
(寂しげな顔で)・・・残念だわ~・・・」
周 「メイパンファー(仕方ないです)」
周は結構冷静に受け答えしている。
まともに話が出来る状態だ。
周の態度に、決意が感じられたので
引き留める必要はなかった。
辞める事を前提に話をすすめる。
しかし当面の問題として、
今日すぐ辞める、という事態は回避したい・・・
私 「いつ辞めるの?」
周 「今日にでも・・・」
私 「・・・(考)・・・気持ちは分かるんだけど~・・・でも、
すぐっていうのは会社も困るじゃない?
今あなた以外に誰も財務がいないもの。
この会社の財務ができるのは、今あなたしかいないもの。(プライドを刺激)
今まで長い間(それでも5年くらいだが)一緒にやってきて、会社は、とても残念。。。
あなたも、会社に対して情はあると思うわ。。
これだけ長く頑張ったもんね。
あなたが責任感が強いのは、私はよく知ってる。(プライド刺激)
ほったらかしにしない人って、よく分かってる。(更に刺激)
次の財務はすぐに募集するから
それまで、頑張ってほしい。。。」
自分でも気持ち悪いくらい、次から次へと言葉が出てきて。。
それだけ私も必死だった。
もう時間がない。
私が仕掛けた、この作戦。
絶対に最後まで、やり遂げなくては・・・!
結局、
周は一週間ほど猶予をくれた。
次の財務が来れば、引継ぎはちゃんとする、と約束してくれた。
ところで、
周がいきなり退職届を提出した理由は一体なんだったのだろうか??
総務の胡小姐(私が募集広告を出して、と頼んだ子)を会議室に呼んで。
何か心あたりはないか、と聞いた。
胡 「・・・あります」
私 「な、何?」
胡 「アコ小姐が財務募集のメールを私に出してきて、
その後、書類を取りに席を立ったら・・・・・・」
私 「何?」
胡 「・・・周さんが私のパソコン覗いていたんです!
アコ小姐からのメールを見ていたんです!
その後、急に怒り出して・・・」
え・・・?
じゃ、あいつ知ってたの?
私が胡小姐に指示を出したのを。。
経理部長の前で会社を脅すような事を口走った後に
新しい財務を入れろ、という指示を見て
自分は完全に切られるのだ、と思い
あの緊急退職届に至ったって
いうワケなのか・・・?
冷や汗が出た。
知ってたくせに、
私に切れなかったのは、
上司が私に指示を出したと思ったのだろうか
私の意思ではないと、思ったのだろうか
信じてくれている、という事だろうか
それとも、
あきらめ・・・?
・・・本人に聞いたわけではないので、今も謎のままだけど
その時は、なんか周が、とても気の毒に思えたのでした。。。
つづく。
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