≪陳社長の本当の目的≫
コンジョンスオ は恐らく コンジョン「所」。どこかの場所。
までは分かったがコンジョンは、まだ思い出せなかった。
私 「gong zheng 是什麼意思?」(コンジョンって、どういう意味?)
陳 「做 gong zheng 的地方」(コンジョンする所)
あ~!思い出した!
*公証だ! * 特定の事実または法律関係の存否をおおやけに証明する行為。
意匠侵害対策の時に顧問弁護士が言ってた…
あ~あれか!公証所って事か・・・!
しかし…
公証所なんかで何しようとしてるんだ、彼は?
私は警戒し始めていた。
確かめないといけない事がある。。
私 「ちょっと聞きたいんだけど…。昨日の委託書の内容に…」
陳社長の座っている横に、昨日の書類を挟んだクリアファイルがあるのが見えた。
私は平静を装いながら「ちょっと貸して。」と言った。
陳社長は運転しながら私に渡した。
内容を見直す。
やっぱり、おかしい。
私 「這個,這個部分…。為什麼有『並代表本人代簽正式的各方合同及交房手続』?
NI不是説代我『解約』的ロ巴?」
(あのさ、この部分、なんで『本人の正式な各契約及び不動産引渡し手続きの代行署名を
代表する』って、あるの?私の代わりに『解約』するって言ったよね?)
陳 「・・・ん?・・・」
私 「・・・陳総!(陳社長!)」
イライラしていた。
いつものように、にこやかな陳社長に余計にイライラした。
陳社長は覚悟を決めたように、しかし穏やかに話し始めた。
陳 「・・・是這様的。我的朋友想買東方花園的房子。」
(こういう事なんだよ。俺の友達が東方花園を買いたがっているんだ。)
我 「朋友?(友達?)」
陳 「対,我的朋友。他現在不是在這里,在浙江。他要投資房産…」
(そう、俺の友達。彼は今ここではなく浙江省にいる。彼は不動産投資をしたくて…)
我 「不是!我要問的是,這委託書和他有何関係!」
(違う!私が聞きたいのは、この委託書は彼と何の関係があるかって事!)
イライラした。
何か、わざとらしい。
陳 「怒るなよ…」
取り繕うように笑う陳社長。
我に返った。
私 「ああ、ごめん…」
私が落ち着いていないと彼は、ちゃんと話さない、と思った。
私 「お友達が東方花園を買うって?どうやって?」
陳 「…つまり君の契約を残しておいて、俺の友人が金を支払うんだ。
彼が金を払い終わったら不動産権利証を彼の名前に書き替える。」
え・・・?
それってさ・・・
私が台湾人上司に提案した方法と同じ!?
あれは話が全然別だ。
台湾人上司は同じ会社だし
私の師匠でもあるし、自分で信用できると踏んでの話だ。
しかも、あの時は1万元の謝礼金も条件にしていた。。。
なんで、
私が会った事もない陳総の友達に
名義貸ししなアカンの!
私 「…私、嫌だ!」
陳 「何で?心配ないよ~、この友達は信用できるから…」
取り繕うように、また笑った。
私 「嫌だ!会った事もない人に名前貸すなんて絶対、嫌だ!!」
陳 「だ~いじょうぶだって。心配ないよ。」
私は目をむいた。
私 「誰が保証できる!何かあったら、どうするの!」
陳 「何もないよ。信用できるから…」
分かった…
全部、読めた!
つまり、私に名義貸しさせる為に
私に1200元の利息とか言って喜ばせておいて、
本来あるべき何万元かの謝礼金を浮かせるつもりだったんだ!
「美味しい話に気をつけろ」
今まであれほど警戒してたのにっっ・・・!!
手元にある書類を見つめた…
破ってやろうか…
でも陳社長がサッと取ってしまった。
あの書類…
サインしてしまった…
そして…
それを公証する為に、今、公証所に向かってる・・・
どうすれば、いいのっっ…!!??
私 「嫌だからね、私。絶対、解約するから!」
同じ言葉しか出てこない…
陳 「もう着くよ…」
陳社長の横顔を見た。
この人、こんな顔だったっけ・・・?
まるで
知らない人といるようだった・・・
つづく。
この話はシリーズ物になっています。
宜しければ【23】中国で不動産を買おうとした話(別窓)も御参照下さい^^
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