≪白タク運転手夫妻の場合 1.≫
「白タク」は中国語で「黒車」と言います。
日本語の「白タク」の言葉の由来は、日本では許認可を受けた営業用自動車の
ナンバープレートが緑色であるのに対し、許認可を受けていない自動車
(自家用自動車)のナンバープレートは白色であることから来ていますが、
中国語の場合は反対の「黒車」。
「黒」はその名の通り「ダーク」なイメージから
「黒道(極道)」、「黒市(ヤミ市)」、「黒鍋(無実の罪)」など
イメージの悪い言葉に使われる事が多いです。
今回は、
江蘇の小さな街にいる夫婦が、どのように知り合って結婚し、
何故、白タク運転手になったのか。。。
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奥さんの名前を金さん、旦那の名前を王さんとします。
彼らは私の勤務先に出入りするTAXI運転手でした。
旦那さんはTAXI会社の赤いTAXIを運転し、奥さんは自分達で買った黒い*サンタナを。
*サンタナ=ワーゲン社の大衆車。中国で一般的。聞いた話では当時約12万元(約170万円)。
最初の頃は、王さんはTAXI会社に出入りはしていたみたいなので
「黒車」じゃなかった(と彼らは言っていた)らしいけど、私が帰国する頃には
売ってしまったので、完全に「白タク」運転手になったのだと思います。
奥さん(金さん)は龍年だったから今年満42歳。
あの街の郊外出身。
性格:サバサバ 容姿:色気はないが美人。
旦那さん(王さん)は寅年で今年満44歳。
市内出身。
性格:優しい 容姿:目鼻が丸く、アライグマみたいな顔立ち。
金さんは口が立つし、も~のすごく話す人(主に愚痴)だったので^^;;
私は約4年の付き合いの中で彼女の身辺を色々聞かされました。
金さんが20代前半のお年頃の頃、
親戚の人から色々男性を紹介されたそうだけれども。
あれこれ選んで8人が流れた後、
「もう、あんたに紹介してあげるの最後だからね!」
と紹介されたのが王さん。
「この人を嫌だって言ったら、もう面倒見ない」
とも言われ、しぶしぶ結婚。
金さん曰く:
「はっきり言って、候補の中で最低だったね。
貧乏だし格好いいワケでもない。全然好きじゃなかった。
でもあの頃は年頃になれば結婚するのが当たり前だった。
選り好みしすぎて、後が無かったし。
結婚証明書の手続きする時『この人でいいのか!?』って、
何度も自問自答した。でも最後は
『これが私の運命なんだ』と自分に言い聞かせて提出したよ」
王さんは、7人兄弟だかの5人目で、
兄弟の中でも、影の薄い存在だったらしい。
お金が全然なくて、自分で家を建てたと言っていました。
*この「自分で家を建てた」と言うのは中国でよく聞いたのですが。
イマイチ、ピンと来ません…自分で大工仕事をやったという事みたいですが。
二人は国営企業の工場に勤務。
何とかやりくりできる程度の収入。
その内、息子が生まれ。
しかし口が立って気の強い金さんは、王さんの実家と折り合いが悪く、
市内に住む王さんの親戚は誰も子育てを手伝ってくれず。
毎日、息子を自転車で会社に連れて行って働いていた、と言っていました。
「この橋を(指差す)毎日自転車で、王偉(息子)と渡ったよ。
誰も助けてくれなくて情けなかった~」
「会社の給料だけじゃ少ないから編み機で編み物のバイトもしてたよ。
私は手先が器用だったからね」
しかし1999年頃、二人は下崗(レイオフ)扱いになり、事実上の失業。
食べる為に何かしなければ、と。
王さんが元々車の免許を持っていたので借金してサンタナを買い、
金さんも免許を取って、そこから運転手生活が始まりました。
無口で真面目な王さんと、
口は立つけど、そこそこ美人で頭の回転の速い金さんに客が付き、
夫婦の仕事は順調に増えていきました。
つづく。
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彼らと交流していて、よく思ったのは、年齢は少し離れているだけだけれど
私とは世代が違う、という事。
彼らは、どちらかと言うと、私の親の世代。
「年頃になったから取り敢えず結婚」とか「生活に苦労した」とか。
若い頃にモノも豊富ではなかったし。
なので私は彼ら夫婦と、よく口論になりました。
感覚にギャップがあるからかな~
対照的に彼らの息子は生まれた時からTVがあって、電化製品があって、
教育もちゃんと受けて…
私の世代と似たような感じ。
なので一概には言えないけれど、私は同じ年齢の日本人と中国人を比べた時に
一世代ずれているように感じるのです。
【追記】大陸でも各地/年代により違います。
白タク運転手夫婦を思い浮かべながら、この一文を書いてしまいました。
大雑把な書き方をして、すみません。
同じような年齢なのに世代が違う。
奇妙な感覚でした。
あ、彼らの「喜糖」は、どうだったのか。
ちゃんと聞いた事なかったですが、お金なかったって言ってたから、
配ってても、簡単だったんじゃないかな。。。
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